生物化学

Biochemistry

基礎医学, 分子生物学・細胞生物学, ゲノミクス・ジェネティクス・エピジェネティクス

~遺伝情報発現空間の冒険~遺伝子発現機構とエピゲノムに関する研究から疾患の理解を進めることが目標です

医科学専攻

  • 修士課程/博士課程

教員構成

五十嵐 和彦五十嵐 和彦

五十嵐 和彦教授

IGARASHI, Kazuhiko Professor, M.D. Ph.D.

TEL:022-717-7596

E-Mail:igarashi*med.tohoku.ac.jp
(「*」を「@」に変換してください)

URL:http://www.biochem.med.tohoku.ac.jp/

この分野の研究テーマ

  • 転写因子とエピゲノムによる免疫細胞分化の調節機構と病態への関与
  • 補欠分子ヘムによる赤血球および免疫細胞の制御機構と病態への関与

研究キーワード

遺伝子発現, 転写因子, クロマチン, エピゲノム, 細胞分化, Bリンパ球, マクロファージ

技術キーワード

質量分析, 次世代シークエンサー, 情報科学, マウス, 分子生物学

分野の紹介

細胞分化の本質は遺伝子発現の変動にあり、その乱れはがんをはじめとする様々な疾患を引き起こします。遺伝子発現は、スイッチとして作用する転写因子により調節されます。私たちは、モデルとして免疫系細胞(B細胞、マクロファージ)と赤血球を取りあげ、これら細胞の分化や応答を、転写因子とクロマチン構造によるゲノムのプログラミングとして理解することを目指しています。転写因子Bach2が形成する遺伝子制御ネットワークと、その抗体産生(抗体クラススイッチや体細胞突然変異)における役割を明らかにしました(Figure 1)。Bach2とBach1がBリンパ球初期分化を促進することも発見しています。また、Bach2が制御性T細胞(Treg)の分化にも関わることを報告してきました。これらの知見に基づいて、腫瘍免疫に関する研究も進めています。補欠分子ヘムがBach1とBach2のリガンドであることを発見し、ヘムが免疫系の制御分子として機能する可能性についても研究を進めています(Figure 2)。
クロマチン構造については、メチル基供与体であるS-adenosylmethionine (SAM) の合成酵素が転写因子と複合体を形成して標的遺伝子へ動員され、局所でSAMが合成されることでヒストンのメチル化が促進されることを発見しました。このユニークなSAM地産地消システムが、細胞分化や免疫で担う役割を解明しようと挑戦を続けています。

Figure 1 B細胞分化と応答の遺伝子ネットワーク
Figure 1 B細胞分化と応答の遺伝子ネットワーク
Figure 2 ヘムの免疫系シグナルモデル
Figure 2 ヘムの免疫系シグナルモデル

主な論文

  • Tanaka, H. et al. Epigenetic regulation of the Blimp-1 gene in B cells involves Bach2 and histone deacetylase 3. J. Biol. Chem. 291, 6316-6330 (2016)
  • Igarashi, K. et al. Orchestration of plasma cell differentiation by Bach2 and its gene regulatory network. Immunol. Rev. 261, 116-125 (2014)
  • Itoh-Nakadai, A. et al. The transcription repressors Bach2 and Bach1 promote B cell development by repressing myeloid program. Nature Immunol. 15, 1171-1180 (2014).
  • Nakamura, A. et al. The transcription repressor Bach2 is required for pulmonary surfactant homeostasis and alveolar macrophage function. J. Exp. Med. 210, 2191-2204 (2013).
  • Watanabe-Matsui, M. et al. Heme regulates B cell differentiation, antibody class switch, and heme oxygenase-1 expression in B cells as a ligand of Bach2. Blood 117, 5438-5448 (2011).
  • Katoh, Y. et al. Methionine adenosyltransferase II serves as a transcriptional corepressor of Maf oncoprotein. Mol. Cell 41, 554-566 (2011).

OB・OGの主な進路

留学(博士研究員)、大学教員、企業(製薬、医療機器など)、公務員

担当教員より進学志望者へのメッセージ

大学院生はそれぞれ独立した研究テーマを進めるとともに、共同研究にも参加することで、専門性と広い視野を身につけていきます。討論や発表の機会も充実しています。

pagetop