医学科教育理念と目標

教育の理念

東北大学医学部医学科は,

・教員と学生相互の協調により強固な教育基盤を構築し,

・医学・生命科学の根元を解明する研究および教育を実践し,

・豊かな人間性と旺盛な探求心を育み,

・人類の健康と福祉に貢献する指導的高度専門職業人を育成する。


教育の達成目標

東北大学医学部医学科の学生は,将来,医学・医療の様々な領域において指導力ある医師・研究者となるために,6年間の医学部教育において12 の教育目標を達成する。 

  1. 生体の構造と生命現象の理解

  2. 1)人体各器官の構造,機能,生理を理解する

    2)生命の維持に関わる分子生物学,生化学,細胞生物学を理解する

    3)生命の発生から成長,発達,加齢,老化に到る人の生涯過程を理解する

    4)人間の心理と行動について理解する


  3. 病因,病態,診断,治療,予防の理解

  4. 1)様々な要因(遺伝,発生,代謝,微生物,自己免疫,腫瘍,変性,外傷,病原体・有害物質,心理,社会,地域,経済,文化など)を理解する

    2)疾患・障害による人体器官の構造・機能の変化(病理,病態生理)を理解する

    3)様々な疾患・障害の診断方法を理解する

    4)薬理学,治療学と治療法選択の根拠を理解する

    5)疾患・障害の予防と健康の維持・増進について理解する


  5. コミュニケーション能力

  6. 1)言語表現,非言語表現,文書表現を用いて自分の考えを人に伝える技術,分かりやすく説明する技術,相手の話を傾聴する技術,を身に付ける

    2)医療の様々な場面において,患者と家族,医療従事者,同僚に対し,誠実で相手の立場に配慮した双方向的コミュニケーションを行う技術を身に付ける

    3)効果的で分かり易いプレゼンテーションを行う技術を身に付ける


  7. 基本となる臨床技能

  8. 1)患者と家族に対し人間的で思いやりある態度を持って接する能力を身に付ける

    2)患者と家族のプライバシーと尊厳の重要性を理解し,遵守する態度を身に付ける

    3)病歴と関連情報を正確に聴取する技能を身に付ける

    4)患者の全身所見を正確に診察する基本技能を身に付ける

    5)病歴・所見を正確に記載する技能を身に付ける

    6)病歴,診察,検査の情報を総合的に解釈し推論,判断を行う能力を身に付ける

    7)基本となる検査・治療の手技を身に付ける

    8)医療安全と危機管理の基本を理解し,身に付ける


  9. 生命倫理,医の倫理,医療関連法規の理解

  10. 1)患者中心の医療を推進する

    2)生命倫理,とりわけ生と死に関わる倫理の理論と規範について理解する

    3)医学研究に関わる倫理規定を理解する

    4)医療関連法規について理解する


  11. 情報を管理・処理し活用する能力

  12. 1)医療に係わる個人情報保護規定を理解し遵守する

    2)必要な情報を得る能力,情報の信頼性,妥当性を吟味する能力を身に付ける

    3)研究,診療に関する情報を処理する技術,管理する技術および活用する技術を身に付ける


  13. 問題発見・解決の能力

  14. 1)研究,診療に関わる未解決の問題を発見し,仮説を立て,検証・解決する態度と能力を身に付ける


  15. 科学的方法論の理解と基礎・臨床研究へ応用する能力

  16. 1)医学研究における科学的理論と方法論を理解し,研究に応用する能力を身に付ける

    2)常に新たな発見と創造を指向する態度と能力を身に付ける


  17. チームを率いる能力(リーダーシップ),教育する能力

  18. 1)チームの一員として同僚に敬意を持ち,信頼・協調して研究,診療に従事する態度を身に付ける

    2)医療チームや同僚から常に学び,また,教える態度と能力を身に付ける

    3)患者と家族に対して,治療および健康の維持・増進に必要な事項を説明する能力を身に付ける


  19. 地域,社会と医療制度の理解

  20. 1)医療法制度,社会保障制度,社会福祉制度を理解する

    2)医療経済を理解する

    3)地域,社会,国および全世界規模の環境・人口動態等と疾病の動向を理解する

    4)疾病の予防と健康の維持・増進に貢献する責務と役割を理解する


  21. 内省と自己啓発の態度,生涯学習の態度

  22. 1)自己の強み(strength)と弱み(weakness)を自覚し,常に改善する態度を身に付ける

    2)他者からの意見を傾聴し,適切に対応する能力を身に付ける

    3)時間と活動について効率よく自己管理する能力を身に付ける

    4)専門領域において常に最先端の知識・技能を保つため,生涯学習を続ける態度を身に付ける


  23. 国際人としての能力

  24. 1)地球規模の研究,診療に従事するため,国際的視野を身に付ける

    2)国際人としてのコミュニケーション能力を身に付ける


アドミッション・ポリシー

一般入試

医学部では医学,人類を中心とした生命科学に関する教育により,真理を探究する姿勢を育成します。高い倫理観と使命感を持って,科学的根拠に基づく臨床医学・医療技術を実践できる医療人及び新しい医学のフロンティアを開拓し問題を解決できる医学研究者を養成することを目的としています。
科学の分野に対する優れた理解力・学習能力とともに,生命現象や医療の問題への関心・探究心を持ち,医学や医療を通じて人類の福祉に貢献したいという目的意識があり,病める人の立場になって問題解決のできる人間性を備え,国際的視野で行動できる人を求めています。

 

AO 入試Ⅱ期

人を対象とする生命科学や医学・医療に関わる学問に強い関心を持ち,旺盛な探究心と創造的な思考能力と高い倫理観を有する人を求めています。東北大学で学部・大学院教育を受けることを希望し,大学や研究所で研究医として世界的な活躍をめざす情熱と積極性を有する人を歓迎します。筆記試験,書類審査,面接試験によって,医学・医療に関わる学問への関心,探究心,思考能力,倫理観などを評価します。

AO 入試Ⅲ期

将来,医学・医療の指導者として世界で活躍をめざす人を求めています。東北大学で医学教育を受けることを熱望し,対話による相互理解力と医学への強い学習意欲と探究心を持ち,リーダーシップを発揮できる人を歓迎します。大学入試センター試験の成績に加え,筆記試験,書類審査,面接試験によって,医学・医療に関わる学問への関心,探究心,思考能力,倫理観などを評価します。

国際バカロレア入試

国際バカロレアのディプロマ・プログラムにおいて優秀な成績を修めた者で,医療の諸問題やヒトを対象とした生命現象の解明に対して高いレベルの探究心と向上心を持ち,倫理性・自主性・協調性に優れ,国際的に活躍するリーダーになれる人を求めています。筆記試験,書類審査,面接試験によって,医学・医療に関わる学問への関心,探究心,思考能力,倫理観などを評価します。

帰国生徒入試

海外の教育機関で十分な基礎学力を修得し,その課程を優秀な成績で終了した者で,医療の諸問題やヒトを対象とした生命現象の解明に対して高いレベルの探究心と向上心を持ち,倫理性・自主性・協調性に優れ,国際的に活躍するリーダーになれる人を求めています。筆記試験,書類審査,面接試験によって,医学・医療に関わる学問への関心,探究心,思考能力,倫理観などを評価します。

ディプロマ・ポリシー

医学部医学科では、次に掲げる目標を達成した学生に学士の学位を授与する。

  1. 生命現象、人体構造並びに様々な疾患について、分子レベルから細胞・組織・器官・個体レベル、さらに地域・社会・国際レベルに及ぶ国際標準の知識を有している。未解明の事象に挑み創造的研究を行って先端領域を切り開き、成果を世界に発信する能力を有している。

  2. 優れた倫理観と暖かい人間性を備え、科学的根拠に基づく医療を実践する基本的能力を習得している。地域に密着して医療を実践するとともに、国際社会に医療貢献する能力を有している。

  3. 医療の実践と医学の研究を通して、我が国の医学研究、教育、医療を支えると伴に、ワールドクラスの研究の推進、新しい学問の創造、人類への貢献を担う能力を有している。多職種間の連携・協調、学際的研究交流等を円滑に行うコミュニケーション能力とチームを率いるリーダーシップの素養を有している。

カリキュラム・ポリシー

医学部医学科では、ディプロマ・ポリシーで示した目標を学生が達成できるよう、以下の方針に基づき教育課程を編成・実施する。

  1. 1、2年次は全学教育科目として幅広い一般教養科目と専門教育に活用可能な科目を提供する。1年次より専門教育科目を開始し、医療人、医学研究者として必要な基本的知識・技能・態度を6年間で段階的に修得させる。
  2. 研究第一の理念に則り、長期に亘り研究に従事し成果を発表する期間を設ける。医学研究PBL、基礎医学修練、高次臨床修練によって、医療リーダーや医学研究者として必要な能動学習・自己研鑽の技能と態度の涵養をはかる。

  3. 学習成果の適正な評価と個別フィードバックを行い、学習者の内省・自己啓発と能力開発を促進する。。

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