大学院説明会
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大学入学当初は大学院に進学しようという気持ちはありませんでした。大学4年生の時、卒業研究で研究室に配属され初めて研究という世界に触れることになりました。実験をしていく中で思ったようにうまくいかないなど大変なこともありましたが、新しいことが分かっていくのがとても楽しく、もっと研究を続けたいと考え進学しようと思いました。
障害科学専攻は授業が少人数だったため、それぞれの分野の第一線で活躍されている先生方の授業を受けられました。今まで知らなかった分野のことを知れるのはとても勉強になりました。大学院生として研究していく中で初めてのことも多く不安な気持ちもありましたが、先生方が丁寧に実験方法や文献の調べ方などを指導してくださり、安心して進めることができました。チームで実験していたので、分からないことや困ったことが出てくると、その度に相談したり試行錯誤しながら実験を進められたのも良かったです。
学部での卒業研究を通して、DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease):「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎児期の環境の影響を強く受ける」という考え方に大変興味を持ちました。研究室の先生方と相談し、自閉症と胎児の心電図を研究テーマにしました。
自閉症は近年増加している発達障害の一つです。自閉症の診断は専門の医師が患者の行動や言動を診て行い、心電図や脳波などの生理学的な指標や血液検査などの生化学的な指標を用いた診断は行われていません。現在、自閉症の根本的な治療法はありませんが、早期に発見し療育を受けることで症状が改善するといわれています。自閉症のモデルマスの胎児期の心電図を計測し周波数解析することで自律神経の発達を評価し、生まれた後の自律神経の発達やストレスを与えた時の反応の違いを評価することで心電図が自閉症の診断に有用であるかを検討していました。
全員が医療職というわけではなく、さまざまなバックグラウンドを持つ人が集まった研究室でした。週に1度進捗(しんちょく)報告をする機会があったのですが、いろいろな角度からの意見やアドバイスを頂くことができました。疑問に思っていることなどを尋ねると詳しく教えてくださり、分からないことを口に出しやすい雰囲気でした。
真面目に、真剣に勉強したり研究したりしている人が多いという印象です。無料で参加できる統計や心電図の講習会があるなど、勉強できる機会に恵まれていると思います。
静岡市内の病院で臨床検査技師として働いています。大学院生の頃のように研究をすることはないのですが、修士論文や研究の進捗報告などの経験を通して、人に伝えるためにはどの順番で、どのような表現をすれば分かりやすく伝わるかを意識して話すように心がけています。
昨年の7月から生理機能検査室という心電図や脳波などを検査する所で働いています。さまざまな患者さんが検査を受けにくるので安心して検査を受けてもらえるように、また検査に協力してもらえるように、分かりやすく説明できるようになりたいです。診断の役に立つような正確な検査結果を報告するために、検査方法や結果の解釈など理解を深めていきたいと思います。
星陵キャンパスは街中にあるキャンパスですが、自然も多く過ごしやすい場所だと思います。写真は研究室があった5号館の前のイチョウの木です。キャンパスからの帰り道にたい焼き屋さんがあり、よく買って食べていました。クリームやあんこなど甘い系はもちろん、ビーフシチューなどしょっぱい系もあるのでお薦めです。
長野県の高校を卒業後、東北大学医学部保健学科検査技術科学専攻に入学。大学院に進学し、卒業後は臨床検査技師をしている。