大学院説明会
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学部2年生の時の講義をきっかけに、働く人が生き生きと働くためのサポートができる産業保健師の魅力に引かれ、保健師を目指すようになりました。東北大学では大学院で保健師を養成していて、より質の高い保健師になることを目指し、進学しようと思いました。学部生の頃に今の研究室に配属が決まってから、院生さんの実習報告会や、卒研生と院生が一緒になって行う縦割りゼミの機会を通して、大学院ではさまざまな経験ができると思ったこと、院生さんが一歩先をいく深い考えを持っていて、自分もそうなりたいと思ったことも進学した理由です。
思っている以上に充実した毎日が待っていました。そのおかげで、現在進行形で大きく成長できていると感じます。具体的には、①多角的に考えられるようになったこと、②さまざまなことに積極的になったことが挙げられます。
①について:大学院では、プレゼンテーション&ディスカッション形式の講義、市町村・産業・学校・県庁などさまざまな場において見学・実践をする実習、研究活動、いろいろな領域に関心を持つ研究室の仲間との毎週のゼミなどをしてきました。それらはただ教えてもらう、ただ見学するのではなく、自ら情報収集し、主体的に学ぶ必要があり、受け身で学ぶよりも強く記憶に残ります。そして、そこで学んだことが別の場面で思い出され、どんどん知識がつながっていく感覚があります。さまざまな場で毎回濃い学びが得られたからこそ、いろんな視点から物事を見ることができるようになったと思います。
②について:上述の通り、主体的に動いた結果いい学びが得られた経験から、積極的になってマイナスになることはほとんどないなと思い、気になったら行動してみるようになりました。例えば、疑問を持ったら積極的に質問するのもその一つで、自分の行動次第で得られるものは変わると感じています。
労働者が50人未満の小規模事業所において、事業主と従業員が職場の健康管理についてどのような意識を持っているのか、どのようなことが健康管理の妨げになっているのかについて、アンケートを用いた研究をしています。小規模事業所は日本の全事業所数の約96%、そこで働く従業者数は全従業者の約57%を占めています。一方で小規模事業所は、費用や人材等の資源不足や、労働安全衛生に関する義務化がほとんどなされていないことなどにより、職場で適切な健康管理が実施しにくい状況があります。どこで働く人も生き生きと働くことができるような研究がしたいと思い、この研究テーマにしました。小規模事業所にとって身近な存在として、保険者である全国健康保険協会(協会けんぽ)があります。協会けんぽの方に現場の課題意識についてお伺いすることや、学会に勉強に行き、最新情報を集めることなどを通して、現場とのギャップが生じないよう研究を進めています。
院生と卒研生を合わせて30人以上の人数が多い研究室です。院生だけのゼミだけでなく、院生と卒研生が一緒になって行う縦割りゼミもあります。自分が卒研生の時は、院生の先輩方からとても刺激を受けていました。尊敬できる先輩ができてモチベーションにもなっていました。私も頼ってもらえるような先輩になれるよう頑張ろうと思いながら、卒研生との交流を楽しんでいます。
ここまでの院生生活を振り返ると、私がここまでやってこられたのは確実に研究室の仲間がいたからです。うれしいことがあるとみんなで喜び、大変な時はお互いに声をかけあって支え合っています。結束力はどこの研究室にも負けないと思います。先生方はとても優しく、親身に相談に乗ってくださいます。優しいというのは甘やかすということではなく、私たちの思いや考えを大切にしてくださり、大事なことに自分で気付けるように関わってくださるということです。先生方や事務員さんも含めて本当にすてきな仲間たちと研究室で濃い日々を過ごせているからこそ、成長につながっていると感じます。過去にこの分野を卒業された先輩方とのつながりもでき、就職や研究の相談をしたり、保健師の活動を伺ったりしています。人とのつながりを大事にする研究室だと思います。
「人」と「物」が充実していることです。「人」に関しては、豊富な経験をされてきた先生方による講義が受けられる貴重な環境だと感じます。先生方のつながりを生かした外部講師を招いた講義もあり、さまざまな場で活躍されている方のお話をお聞きできました。また、多様なバックグラウンドの学生がいるので、他の研究室の方と一緒にディスカッションする際に国際色豊かないろんな視点を知ることができました。「物」に関しては、図書館や文献検索データベース、キャリア支援センター、留学プログラムなど、研究や就活、自己研さんのためのツールが充実しています。私は大学生活中に東北大学の短期海外研修プログラムやTEA’s Englishを活用して、英語を学びながら海外の方と交流し、海外の文化に触れました。
研究については、今行っている研究を現場とのギャップがないように丁寧に行い、論文として発表することが目標です。保健師としてのビジョンは、相手の思いに寄り添える産業保健師になることです。大学院における産業保健実習という企業における保健師活動を学ぶ場では、情報通信業と製造業の2社に実習に行き、会社によって産業保健活動の内容が異なることや、相手に寄り添うという産業保健師に共通して求められる重要な姿勢について学びました。その会社によって大事にしている方針が異なるため、事業所の考えを十分に理解する必要があると思います。従業員・事業所の考えに寄り添い、視野を広く持って活動できる産業保健師になりたいと考えています。そのために残りの大学院生活も、一日一日を大切に、積極的な姿勢で多くのことを吸収していきたいです。
休日は友達や家族とのんびり過ごしたり、遊びに行ったりしています。写真は秋保大滝に行った時のものです。周辺にはおしゃれなカフェもあり、のんびり過ごすには最適でした。私は誰もがやることをするよりは少し変わったことをするのが好きです。秋保大滝に行ったら皆さんもぜひこのポーズで撮ってみてください(笑)
宮城県仙台第一高校卒業後、東北大学医学部保健学科看護学専攻に入学。その後、東北大学大学院医学系研究科の保健師養成コースに入学し、現在博士前期課程2年。中学から大学までソフトテニスをしており、スポーツをすることが好き。自分の経験を誰かのために生かすことも好きで、ここ数年は母校の高校において大学や大学院での活動について講演を行っている。