東北大学大学院医学系研究科・医学部

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世界に門戸開かれた国際色豊かなキャンパスで
意欲的な学生と充実した設備に囲まれ
多様な視点を得ながら研究に没頭

インタビュー
障害科学専攻
内部障害学分野 助教
宮城 翠
Midori Miyagi
2023.07.04

宮城 翠

嚥下障害に関する臨床的疑問が研究の道に進む第一歩に

●研究の概要を教えてください

摂食嚥下(えんげ)リハビリテーション(以下摂食嚥下リハ)の中でも、頸椎(けいつい)アライメントを含めた姿勢調整と嚥下障害の連関に着目し研究を進め、頚椎の角度と嚥下障害の発生が連関している可能性を明らかにしました。この連関に注目した契機は、リハ科専攻直後より前任地で所属していた嚥下障害対策チームでの臨床経験にあります。急性期病院でのさまざまな嚥下障害を目にしてきましたが、摂食嚥下リハで頻回に用いる代償嚥下指導や訓練の礎となる姿勢調整が、高齢者の可動性の低下した頚椎や亀背・頚椎固定術後によりうまくいかず、ひいては嚥下障害の要因となる患者さんを多く目にしました。頸椎アライメントがどうなると嚥下障害が引き起こされるのか。これが私の最初のクリニカルクエスチョンとなり、研究の道に進む第一歩となりました。以降研究を進めていくうちに、摂食嚥下リハのうち最も普及している嚥下調整食にも着目し、簡単に嚥下調整食の粘度が計測できる簡易とろみ測定機器の開発にも至りました。

●研究室はどのような雰囲気ですか?

当研究室は人々のさまざまな障害に向き合うべく、それぞれが日々研究にいそしんでいます。自分の研究分野以外のことに触れる機会も多く、そこから自身の研究にヒントをもらうことも少なくありません。教授をはじめ全員が同じ部屋にデスクがあるため、何か分からなければすぐに聞ける風通しの良さも魅力の一つです。

個人の視点や疑問を切り口に、あらゆる角度から研究を

●学生にどのようなことを期待しているかなども含め、進学希望者へのメッセージをお願いします

当研究室は、いろいろな疾患に由来するさまざまな障害と向き合う研究室です。障害は国際生活機能分類において、機能障害・活動制限・参加制約の3つの要素を含んでいます。私たちの研究室ではこの3つの要素に対し、皆さんの中にある視点・疑問を切り口にあらゆる角度から研究を行うことができます。
学生のみなさんにはぜひ色々な視点で物事を観察し、探求心を忘れずに研究に取り組んでいただきたいです。

多様な背景の学生が集い、修了後は各分野の第一線で活躍

●修了後はどのような進路がありますか?また、修了生はどのように活躍していますか?

当研究室は多様な背景の学生が集まっているため、卒業後はさまざまな分野の第一線で活躍しています。

●病院や企業に勤務しながらの修学は可能でしょうか?

可能だと思います。東北大学病院やその他の病院で、フルタイムで医師や理学療法士として働きながら研究を進めている院生もいます。

充実の設備だけでなく活発な雰囲気も含めた環境が魅力

●東北大学の良いところは?

研究環境が整っていて、日本国内だけでなく、世界に向けて門戸が開かれています。私自身が東北大学出身者ではなく、当教室も国際色豊かで国内外から多くの意欲にあふれた学生が学びに来ています。研究設備だけでなく、そのような教室の活発な雰囲気も研究環境の魅力の一つです。

mylife

趣味は芸術鑑賞です。好きな作曲家や画家、映画監督の生きた時代背景や彼らの作品に対する探求心に触れるたび、自分自身の研究に対するモチベーションも刺激されるので、私にとって大切な時間となっています。

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PROFILE
障害科学専攻
内部障害学分野 助教
宮城 翠
Midori Miyagi

2012年 聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業
2015年 東邦大学医療センター大森病院リハビリテーション科入局
2021年 東邦大学大学院医学研究科博士課程修了(高次脳機能系リハビリテーション医学専攻)
2022年 東邦大学リハビリテーション医学研究室助教
2023年 東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野助教

●関連リンク
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●MAIL
midori.miyagi.b5*tohoku.ac.jp(「*」を「@」に変換してください。)