分子血液学

Molecular Hematology

基礎医学, 分子生物学・細胞生物学

GATA因子関連疾患の分子基盤解明に挑む ~転写因子から探る生体の恒常性と疾患のメカニズム~

保健学専攻

  • 修士課程/博士課程

教員構成

清水 律子清水 律子

清水 律子教授

SHIMIZU, Ritsuko Professor, M.D. Ph.D.

TEL:022-717-8080

E-Mail:rshimizu*med.tohoku.ac.jp
(「*」を「@」に変換してください)

URL:http://www.exphem.med.tohoku.ac.jp/toppage.html

その他の教員・スタッフ
  • 平野 育生助教

    Assistant Prof.HIRANO, Ikuo

この分野の研究テーマ

  • 血球分化における転写因子GATA1とGATA2の機能解析
  • GATA因子の量的・質的変異が惹起する血液疾患の解析

研究キーワード

遺伝子発現制御, GATA因子, 白血病, 創薬

技術キーワード

遺伝子組換えマウス, FACS解析, 移植等の血液学的解析, 細胞培養, HTS

分野の紹介

1988年に、Harold Weintraub教授らが線維芽細胞を筋細胞へと分化させる転写因子MyoDを発見した後、多くの研究者が細胞の運命や分化に関わる転写因子の同定競争に参入しました。その渦中に、GATA1は赤血球分化に重要な転写因子として同定され、その後の研究で、6種のパラログから構成されるGATA転写因子群(GATA1-6)が発見されました。
私達は、GATA因子の中でも血球分化と関わりが深いGATA1とGATA2に着目し、研究しています。GATA1は赤血球・巨核球分化で働き、そしてGATA2は造血前駆細胞や造血幹細胞で働きます。近年、GATA1とGATA2の遺伝子変異が、白血病やその他の造血器疾患から見つかっていますが、これら遺伝子変異と疾患発症の関連性は十分に検証されていません。そこで私達は、転写因子ネットワークに支えられた精緻な遺伝子発現制御が恒常的造血に重要であること、その機能破綻が造血器疾患発症に直結することに着目し、GATA因子の質的そして量的な機能破綻と疾患発症の分子基盤を探っています。
また、近年、GATA因子が、腎性貧血や慢性炎症性貧血の新しい治療標的分子となり得るだけでなく、がん細胞の生存に重要であることが分かってきました。私達は、GATA因子の機能を制御する低分子化合物を開発することで、新しい貧血治療薬や制がん剤を創出できると考え、研究を進めています。

Figure 1 GATA因子の機能破綻が関与する血液疾患
Figure 1 GATA因子の機能破綻が関与する血液疾患
Figure 2 GATA因子を標的とした創薬研究
Figure 2 GATA因子を標的とした創薬研究

主な論文

  • Shimizu R, Engel JD, Yamamoto M. GATA1-related leukemias. Nat Rev Cancer, 8(4):279-287, 2008
  • Hasegawa A, et al. Mature erythrocyte membrane homeostasis is compromised by loss of the GATA1-FOG1 interaction. Blood, 119(11):2615-2623, 2012
  • Kaneko H, et al. N- and C-terminal transactivation domains of GATA1 protein coordinate hematopoietic program. J Biol Chem, 287(25):21439-21449, 2012
  • Toki T, et al. Naturally occurring oncogenic GATA1 mutants with internal deletions in transient abnormal myelopoiesis in Down syndrome. Blood. 121(16):3181-3184, 2013
  • Yamazaki H, et al. A Remote GATA2 Hematopoietic Enhancer Drives Leukemogenesis in inv(3)(q21;q26) by Activating EVI1 Expression. Cancer Cell, 25(4) 415-427, 2014
  • Hasegawa A. et al. GATAI binding kinetics on conformation-specific birding sites elicit differentiate transcriptional regulation. Mol Cell Biol 36(1), 2051-2067, 2016

OB・OGの主な進路

国立大学教員、臨床検査技師、製薬系企業

担当教員より進学志望者へのメッセージ

研究は「個性」と「プライド」、進学に学部は不問です。白血病の成り立ちや血液疾患の基礎研究、そして創薬研究をやってみたい方は、是非一度研究室見学にお越し下さい。

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