発生発達神経科学

Developmental Neuroscience

基礎医学, 分子生物学・細胞生物学, 神経科学

脳はどこから来たのか。脳とは何か。脳はどこへ行くのか。脳の発生・発達・進化の分子機構解明に挑戦する

医科学専攻

  • 修士課程/博士課程

教員構成

大隅 典子大隅 典子

大隅 典子教授

OSUMI, Noriko Professor, D.D.S. Ph.D.

TEL:022-717-8203

E-Mail:osumi*med.tohoku.ac.jp
(「*」を「@」に変換してください)

URL:http://www.dev-neurobio.med.tohoku.ac.jp/

この分野の研究テーマ

  • 大脳皮質発生の分子細胞メカニズムの解明
  • グリア細胞の分化と機能に対する脂質シグナルの影響

研究キーワード

脳の発生, グリア細胞分化, エピジェネティクス, 神経分化, 自閉症

技術キーワード

動物実験, ゲノム編集, 細胞培養, エピジェネティクス, バイオインフォマティクス

分野の紹介

「脳はどのようにしてつくられるのか?」 この問いに対して、私たちは分子レベルで明らかにしたいと考え、①神経発生、②脂質脳科学、③次世代継承エピゲノムの観点から進めています(図1)。
①に関しては、これまで神経幹細胞に発現する転写因制御子Pax6の制御を受ける下流遺伝子として、神経幹細胞の増殖を維持する脂肪酸結合タンパク質Fabp7や、神経細胞への分化を担うプロニューラル遺伝子を制御するDmrta1を同定しました。現在、神経幹細胞の持つ長い突起の基底膜側先端部分へのmRNA輸送メカニズムについて、運び屋分子として脆弱性X症候群の原因因子であるFMRPや、運ばれるmRNAとして我々自身がcis配列を同定した細胞制御因子Cyclin D2のmRNAに着目しています。CRISPR/Cas9などのゲノム編集や、哺乳類全胚培養法等の胚操作を駆使した実験を展開しつつあります。
②については、脳に多量に存在するドコサヘキサエン酸(DHA)やアラキドン酸(ARA)や、それらと結合する脂肪酸結合タンパク質Fabpが、神経幹細胞やグリア細胞の増殖分化、酸化ストレス応答その他の機能に与える影響について解析を進めています。本研究は加齢性難聴のメカニズムの理解に繋がる可能性があります。
③としては、自閉症等の発達障害の発症メカニズムを明らかにすることを目的として、遺伝的リスク(例えばPax6の変異)や交絡因子(例えば父の加齢)が次世代に与える影響について、マウスを用いてエピゲノム的観点からの解析を展開しています。

Figure 1 研究室の三大テーマ
Figure 1 研究室の三大テーマ
Figure 2 大脳皮質神経幹細胞におけるCyclin D2 mRNA輸送モデルとゲノム編集技術による検証
Figure 2 大脳皮質神経幹細胞におけるCyclin D2 mRNA輸送モデルとゲノム編集技術による検証

主な論文

  • Sugiyama, T., Osumi, N., Katsuyama, Y. A novel cell migratory zone in the developing hippocampal formation. J Comp Neurol. 522, 3520-3538, 2014.
  • Kikkawa, T., Obayashi, T., Takahashi, M., Fukuzaki-Dohi, U., Numayama-Tsuruta, K., Osumi, N.: Dmrta1 regulates proneural gene expression downstream of Pax6 in the mammalian telencephalon. Genes Cells. 18(8), 636-649. 2013.
  • Guo, N., Yoshizaki, K., Kimura, R., Suto, F., Yanagawa, Y., Osumi, N.: A sensitive period for GABAergic interneurons in the dentate gyrus in modulating sensorimotor gating. J Neurosci. 33(15), 6691-6704. 2013.
  • Tsunekawa, Y., Britto, J.M., Takahashi, M., Polleux, F., Tan, S-S. and Osumi, N.: Cyclin D2 in the basal process of neural progenitors is linked to non-equivalent cell fates. EMBO J. 31(8), 1879-1892, 2012.
  • Umeda, T., Takashima, N., Nakagawa, R., Maekawa, M., Ikegami, S., Yoshikawa, T., Kobayashi, K., Okanoya, K., Inokuchi, K. and Osumi, N.: Evaluation of Pax6 mutant rat as a model for autism. Plos One. 5(12), e15500, 2010.

OB・OGの主な進路

本学教員、国立大学教員、私立大学教員、国立大学ポスドク、米国NIHポスドク、米国私立大学ポスドク、独国マックスプランク研究所ポスドク、理化学研究所ポスドク、私立大学技術員、厚生労働省研究所技術補佐員

担当教員より進学志望者へのメッセージ

研究は、純粋に基礎研究として面白いものも、真に将来、臨床に役立つ可能性のある、出口を見据えたものも、どちらも大切。まだ誰も到達していない山の頂上を目指そう!

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