腫瘍生物学

Cancer Biology

基礎医学, 腫瘍学, 分子生物学・細胞生物学

細胞分裂制御やDNA損傷応答の破綻がもたらすゲノムの不安定性による発がんメカニズムの研究

医科学専攻

  • 修士課程/博士課程

教員構成

千葉 奈津子千葉 奈津子

千葉 奈津子教授

CHIBA, Natsuko Professor, M.D. Ph.D.

TEL:022-717-8477

E-Mail:natsuko.chiba.c7*tohoku.ac.jp
(「*」を「@」に変換してください)

URL:http://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/cab/

この分野の研究テーマ

  • 乳がん関連分子の細胞分裂の制御機構に関する研究
  • がん抑制分子のDNA損傷応答の制御機構に関する研究

研究キーワード

がん抑制遺伝子, 細胞分裂制御, DNA損傷応答, 遺伝性腫瘍, 中心体制御

技術キーワード

細胞培養, 遺伝子操作, 動物実験, 生化学実験

分野の紹介

がん遺伝子、がん抑制遺伝子の遺伝子変異の蓄積が、がんを引き起こし、さらにはその悪性度を高めていくことが知られています。私達はその遺伝子変異によって遺伝性乳がん・卵巣がん症候群を引き起こし、DNA修復、細胞分裂制御に関与する、BRCA1の機能を解析しています。BRCA1は、2013年に米国の有名女優がBRCA1の遺伝子変異を持つために予防的乳房切除を受けたことを公表したことで、新聞やテレビでも大きく取り上げられました。中心体は、細胞の分裂期に紡錘体極として機能し、染色体の均等な分配において重要で、この機能の破綻は、染色体の欠失や過剰をもたらし、遺伝子異常の原因になります。最近、私達は新規BRCA1結合分子Obg-like ATPase 1 (OLA1)を同定し、そのがん由来の変異は中心体制御能に異常があることを明らかにしました。また、私達はさまざまなDNA損傷に対するBRCA1の分子応答を解析し、BRCA1がDNA修復因子をユビキチン化して制御することを明らかにしました。私達はこれらに加えて、さまざまな腫瘍関連分子に着目した研究を展開しています。それにより、発がんのメカニズムを解明するとともに、治療や予防のための新たな標的分子や放射線や抗がん剤の感受性予測因子を探索し、今後のがん治療において重要な個別化医療の開発に貢献することをめざしています。

Figure 1 BRCA1の機能破綻による発がん
Figure 1 BRCA1の機能破綻による発がん
Figure 2 OLA1は中心体や紡錘体極に局在する。
Figure 2 OLA1は中心体や紡錘体極に局在する。

主な論文

  • Matsuzawa A, Kanno S, Nakayama M, Mochiduki H, Wei L, Shimaoka T, Furukawa Y, Kato K, Shibata S, Yasui A, Ishioka C, and Chiba N. The BRCA1/BARD1-interacting protein OLA1 functions in centrosome regulation. Molecular Cell, 53,101-114, 2014
  • Kais Z, Chiba N, Ishioka C, Parvin J D. Functional differences among BRCA1 missense mutations in the control of centrosome duplication. Oncogene, 31(6): 799-804 2012
  • Wei L, Lan L, Yasui A, Tanaka K, Saijo M, Matsuzawa A, Kashiwagi R, Maseki E, Hu Y, Parvin J D, Ishioka C and Chiba N. BRCA1 contributes to transcription-coupled repair of DNA damage through polyubiquitination and degradation of Cockayne syndrome B protein. Cancer Science, 102(10): 1840-1847, 2011
  • Ransburgh D*, Chiba N*, Ishioka C, Toland A, and Parvin J D. (*co-first author) Identification of breast tumor mutations in BRCA1 that abolish its function in homologous DNA recombination. Cancer Res., 70(3): 988-995, 2010
  • Wei L, Lan L, Hong Z, Yasui A, Ishioka C, and Chiba N. Rapid recruitment of BRCA1 to DNA double-strand breaks is dependent on its association with Ku80. Mol. Cell. Biol. 28(24);7380-93, 2008

OB・OGの主な進路

製薬会社、医学系出版社

担当教員より進学志望者へのメッセージ

がん治療の臨床経験を生かして、細胞分裂制御やDNA損傷応答の破綻がもたらすゲノムの不安定性による発がん機構を解明し、がんの治療法開発に貢献する基礎研究を行います。

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