東北大学大学院医学系研究科・医学部

大学院説明会
特設ウェブサイト

仕事と両立しながら高めた専門性と
広げた視野を臨床検査技師として発揮
定期的に課題見つけ学会発表続けたい

インタビュー
障害科学専攻
てんかん学分野 卒業生
小林 瑞季
Mizuki Kobayashi
卒業年度:2019年度
卒業学位:修士
現在の職場・会社名:東北大学病院
現在の役職:臨床検査技師
2022.05.30

小林 瑞季

働くうちに芽生えた思いを行動に移し秋入学、卒業で達成感

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

臨床検査技師として働くうちに、脳波に興味を持つようになりました。勉強してみたいと思いつつも、1人だとなかなか本質を学ぶことができなかったので、学部生の時に脳波の授業をしてくださった先生が所属する研究室の門をたたきました。社会人としてすでに働いていたことと、タイミングが良かったのもあって秋入学をしました。医学系研究科には、仕事をしながら大学院にも通う学生が多くいます。仕事と学業の両立は決して簡単なことではありませんが、自分の専門性を高めるチャンスになると考え、入学しました。

●進学してみて、どうでしたか?

2年間で研究の「け」の字を教えていただいたなという印象です。研究テーマの見つけ方、研究の進め方、統計、論文の書き方などなど、たくさんのことを指導していただき、とても濃縮された2年でした。同時に、研究というものはまだまだ奥の深いものだなということを身に染みて感じた2年でもありました。もっと時間があれば…と何度思ったか分かりません。そんな中でもやり切って卒業が認められた時は、かなりの達成感を得ました。

●研究テーマとそれを選んだ理由を教えて下さい

てんかんと睡眠に密接な関係性があることはよく知られています。てんかん患者の方は日中の眠気や睡眠の質の低下など睡眠に関する問題を抱えている場合が多く、発作によって睡眠が分断されることや抗てんかん薬の影響があると考えられています。私はてんかん患者の睡眠に興味があったので、てんかん病型による睡眠の問題に関する研究を行いました。てんかん病型によっては使用する抗てんかん薬が異なったり、発作の種類が異なったりと着目する点が多いので、何か新しい研究ができればと思ったのがきっかけでした。

和気あいあいとした雰囲気で活発に意見交わし、励まし合い

●研究室の雰囲気はどうでしたか?

教授をはじめ、研究室全体が和気あいあいとした雰囲気があります。私は仕事が終わってから通っていたので、ほとんど夜の時間帯しか研究室にいませんでしたが、すぐになじむことができました。先生方との垣根が良い意味で低く、行き詰まったらすぐに相談しやすい環境だったとも思います。その一方で、抄読会や研究報告などの場面では活発な意見が飛び交い、厳しく指摘されることもありました。若手のスタッフも多いので、みんなで励まし合いながら2年間の大学院生活を乗り越えることができました。
また、当研究室ではコロナ禍以前から症例検討会をオンラインで生中継しています。日本のみならず、海外からも多くの参加者があり、各分野に明るい先生方の意見を聞くことができます。研究室内だけではなく、他施設の先生方からも多くのことを学べる環境だと思います。

●東北大学の良いところは?

症例を集めやすいところだと思います。東北大学病院には宮城県内はもちろん、東北6県や北関東からも患者さんが集まりますので、症例の蓄積にはうってつけの環境です。特にてんかん学分野で言えば、てんかん精査をできる施設が全国でも少ないため、北海道から九州まで全国から患者さんが集まっていました。症例がたくさん集まると研究テーマの幅も広がるので、東北大学は研究しやすい環境だと思います。
仙台という立地も好条件です。適度に都会ですが、田舎な面も持ちつつ、都会出身、地方出身、どちらの方にも住みやすい町だと感じます。特に星陵キャンパスは周辺にマンションやアパートも多いので、住む所に困りません。周辺にスーパーも充実していますので、生活でも不便は感じないと思います。公共の交通機関でのアクセスも良く、お買い物などで駅前に行く時にも便利です。

大学院での経験基に、患者さんの病態を多角的に捉える

●現在のお仕事について教えてください。また、大学院時代のご経験はどのように活かされていますか?

東北大学病院の脳神経分野で臨床検査技師として働いており、大学院で学んだ脳波やてんかんに直接関わる仕事をしています。大学院時代、障害科学専攻では授業でてんかん精査を行った患者さんの症例検討会があり、毎週参加していました。そこでは主治医はもちろん、神経内科医、小児科医、放射線科医、精神科医、脳外科医、臨床検査技師、臨床心理士、ソーシャルワーカーなど多職種の人たちが集まって全ての検査結果を共有し、一人の患者さんについて意見を出し合っていました。そこでは、検査技師として脳波を取っているだけでは分からない、診断にたどり着くまでの全体像をあらゆる角度から学ぶことができました。その経験があったので、現在は脳波の結果だけではなく、他の検査結果や問診内容から多角的に患者さんの病態を考えられるようになりました。

行き詰まったら食でリフレッシュ、大学周辺に隠れた名店も

●今後の目標や抱負を教えてください

大学院で学んだことを生かして、今後は臨床の現場で多くの経験をしてさらに専門性を高めていきたいと考えています。研究室は卒業しましたが、東北大学病院の職員として、定期的に課題を見つけ学会発表も続けていきたいと思います。

mylife

星陵キャンパスは仙台駅から少し離れた所にありますが、周辺には隠れた名店が少なくありません。隠れ家的なカフェや飲食店が多く、特に気に入っているのは二日町にある「Tavola2」というお店です。本来は居酒屋なのですが、ここのパスタがとってもおいしくて、このお店に出合ってから他でパスタが食べられなくなりました。生麺クリームパスタ系がお好きな方にお薦めです。 キャンパス周辺には徒歩で行ける範囲のお店がたくさんあるので、大学院生時代は研究の合間に同僚たちとよく食事に行っていました。研究は思い通りにいかないことも多いですが、行き詰まった時は外の空気を吸っておいしいご飯を食べてリフレッシュをすることも必要です。仕事と大学院との両立は体力勝負の面もあります。しっかり食べて、質の良い睡眠を取ることは欠かせません。

写真1

PROFILE
障害科学専攻
てんかん学分野 卒業生
小林 瑞季
Mizuki Kobayashi

2017年東北大学医学部保健学科検査技術科学専攻卒業、東北大学病院入職。臨床検査技師として働きながら、同年秋入学で東北大学大学院に進学。2019年修士卒業後、東北大学病院で脳神経の仕事に携わっている。大学院で学んだことを生かしながら、充実した毎日を過ごす。