東北大学大学院医学系研究科・医学部

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情熱を抱き成長期して中国から留学
温かく迎えられサポートを受けながら
基盤築き、医療発展への貢献目指す

インタビュー
障害科学専攻
Disability Sciences
内部障害学分野 在校生
Internal Medicine and Rehabilitation Science Current Student
呉 昕沢
WU XINZE
学年 :博士後期課程1年
出身地 :中国 内モンゴル省
2023.06.30

呉 昕沢

日本語を学びながら医学の知識と技術を意欲的に習得

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

以前、病院実習の経験で、患者さんがリハビリテーション治療を受けて改善が見られたことに大きな感銘を受け、リハビリテーションの力が人々の生活に寄与することを実感しました。この経験から、より深い研究と学びを通じて、患者さんの回復や健康への貢献をより大きくしたいという思いが芽生えました。また、学部時代に基礎知識を学びましたが、さらなる自己の成長と専門能力の向上が必要だと感じました。大学院では、より高度な学術的な知識や研究手法を身に付けられるので、リハビリテーションの最新の研究成果や技術に触れることで、より効果的な治療やケアを提供できるようになると考えました。さらに、私は医学に対して常に情熱を抱いていて、回復の機能や科学的な方法を通じて人間の健康を理解し、改善することに興味を持っています。大学院で志を同じくする仲間や指導教員と共に、熱中している領域をより深く研究し、医学の新しい知識や革新的な技術を探求する機会を得ることで、個人的な成長と専門性の向上が期待できると考えて進学しました。

●進学してみて、どうでしたか?

最初は新しい研究領域への適応が大きな挑戦でした。しかし、積極的な調査と学習を通じて、徐々にその領域になじんでいくことができました。特に、指導してくださる教授や先輩との交流と学びは非常に重要です。彼らの優しい指導と助言に、学問的な成長を大いに支えられています。日本での医学の学習はとても挑戦的で、日本語の学習も同時に進める必要がありましたが、医療分野の知識と技術の習得に情熱を抱き、困難を乗り越える意欲を持って取り組んでいます。中国で研究に携わっていた経験がありますが、日本に来てから両国間の研究の差に気付きました。日本の研究はより緻密な実験設計や厳格なデータ分析が行われます。これらの違いに触れることで、学術的な視野を広げ、専門能力を高めることができています。

周囲の温かい支えと指導に感謝し、さらなる成長と貢献誓う

●研究テーマとそれを選んだ理由を教えてください

研究テーマは「先進遠隔医療のための在宅デジタル高齢者総合機能評価の開発」です。科学技術の急速な発展に伴い、人工知能の適用は私たちの生活に広く浸透しています。この発展に追い付くために、医療資源の最適化を図り、医学領域も徐々に人工知能の導入に適応する必要があります。人工知能技術を医学に応用することで、医学データの効率的な分析と処理が可能となり、正確な診断と治療計画を提供し、医療資源の利用と分配を最適化できます。他の領域での人工知能の広範な適用を考慮すると、それを医学に導入することは医療業界に革命的な変化をもたらす可能性があります。また、COVID-19パンデミックの襲撃は、従来の医療モデルに大きな衝撃を与えました。感染リスクが高い場合、患者さんは診察や治療を受けるために病院にアクセスするのが難しくなりました。しかし、遠隔医療技術の発展により、この問題を解決する新たな可能性が生まれました。遠隔総合評価と介入を通じて、ビデオコンサルテーションや遠隔モニタリングなどの手段で、患者さんの評価と治療を病院への訪問なしに提供し、患者さんにとって便利で効率的な医療サービスを提供できます。私は遠隔総合評価と介入の重要性と発展の可能性を感じ 、医療と技術を組み合わせた遠隔医療の研究に対して情熱を抱き、人々により便利で効率的かつ個別化された医療サービスを提供し、生活の質の向上に寄与したいと考えています。

●研究室の雰囲気はどうでしたか?

研究室に入った瞬間から親近感を抱きました。研究室の皆さんはとても温かく迎えてくれて、疑問があると積極的にサポートしてくれます。日本語表現能力はあまり自信がなく、コミュニケーションを取ることに緊張しましたが、皆さん親切で、私が日本語で意思疎通するのを助けてくれました。おかげで日本語が著しく上達しましたし、自信もついてきました。研究室の雰囲気はアットホームで、困ったことがあればいつでも相談できる環境です。新しい研究分野に取り組む際には、先生や先輩から温かい指導とアドバイスを頂きました。彼らの経験と知識は私にとって非常に貴重で、研究の進め方や方法についての理解を深められました。この素晴らしい研究環境での経験を通じて、さらなる成長と貢献を目指しています。

国際化進み留学生が多数在籍 異文化適応や生活のサポートも

●東北大学の良いところは?

東北大学は国際化が進んでいて、多くの留学生が在籍しています。特に中国からの留学生が多く、留学生活においてより良いサポートを受けることができます。留学生向けのプログラムやコースを提供し、異文化環境に適応するためのサポート体制を整えています。留学生に対して日本語の授業を開設し、言語力向上に努めるなど、留学生の生活をサポートするための取り組みも行っています。また、東北大学は高い研究水準を誇り、世界的に評価される優れた研究成果を多く生み出し、特に医学や理工学での研究力は非常に高いです。研究においては国内外の協力や共同研究も積極的に行っていて、留学生も最先端の研究に関わる機会を得られます。

●今後の目標や抱負を教えてください

博士課程を順調に修了するのが目標です。国際的なトップジャーナルに自身の研究を発表することも計画しています。卒業後は研究の仕事を続け、リハビリテーションの分野で自身の研究をさらに展開したいと思っています。深い研究と革新的な研究プロジェクトを通じて、リハビリテーションの分野の発展に積極的な貢献をし、多くの人々が健康を回復し社会に復帰できるように支援したいです。機会があればポスドクの道に進むことも検討しています。研究員としての研究活動を通じて、より高度な研究を追求し、さらなる学術的な成果を上げたいと考えています。

中国と日本、両国の教授を通して芽生えた東北大学への思い

●日本の、東北大学を選んだ理由を教えてください

修士課程においてご指導いただいた郭琪教授は東北大学に留学したご経験があり、郭教授を通じて、東北大学が非常に優れた学校であり、卓越した研究水準を持っていると知りました。また、所属研究室の海老原覚教授の論文を以前読んだことがあり、教授の課題に興味を持ちました。海老原教授が新しい学生を指導すると知り、東北大学に入学するために一生懸命勉強してきました。東北大学は常に世界ランキングの上位100校に位置していて、より高い教育環境で知識を得て能力を向上させたいとも考えました。東北大学は国際的な学術環境を持って、多くの国から優秀な学生が集まり、異なる文化や視点から学び合うことができます。このような国際的な環境は、自己の成長とともに、異文化理解や国際的な視野を広げるためにも重要だと思っています。

●仙台の暮らしはどうですか?

仙台の印象は非常に良いです。とても静かで清潔感があり、穏やかな気持ちにさせてくれます。仙台は「杜の都」と呼ばれ、街中には茂みが広がっていて、四季折々の美しい自然を楽しめます。春には桜が咲き、秋には紅葉が美しい景色を作り出します。歴史的な建造物や文化的なスポットもあり、仙台城や宮城県美術館など、見どころが豊富です。伝統的な祭りやイベントも開催されていて、地元の文化に触れる機会も多いです。ただし、仙台の気候は私の故郷とよく似ていて、冬は長く寒いです。暖かい防寒具や厚手のコート、手袋、帽子などの冬季用の衣料品が必要になります。

最後に、日本への留学は、人生を変える経験でした。異なる世界を目にし、異なる人生を体験しています。海老原覚教授の鼓舞と指導によって、私は自身の能力を信じ、成長することができました。教授の知識や経験から学ぶことは非常に貴重で、学問への情熱を高める助けとなりました。海老原教授は私の学問的な成長において欠かせない存在であり、感謝の気持ちでいっぱいです。また、東北大学は多様な学術的機会を提供してくれました。他の学生との交流や研究活動を通じて、新しいアイデアや視点が得られました。大学での経験は、学問的な視野を広げ、成長する基盤を築く上で重要なものとなりました。東北大学と教授に対して心から感謝しています。この貴重な経験を胸に、さらなる学術の道を歩んでいきたいと思っています。

mylife

星陵キャンパス周辺は、お店や観光スポットが充実していて、休日に友人と一緒に散歩や美食を楽しむのに最適な場所だと思っています。星陵キャンパス周辺の路地は静寂な雰囲気を感じ、新しい小さなお店を発見する楽しみもあります。道沿いにはカフェや小さな飲食店、雑貨店などが点在していて、個性的なお店やアンティークショップなども見つかるかもしれません。お薦めは和食店「ぼの」で、本格的な和食を楽しめ、その味は抜群です。店主の方も親切で、温かいおもてなしを受けることができます。

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PROFILE
障害科学専攻
Disability Sciences
内部障害学分野 在校生
Internal Medicine and Rehabilitation Science Current Student
呉 昕沢
WU XINZE

中国内モンゴル省出身。2018年6月、天津医科大学(中国天津)リハビリテーション治療専攻、理学療法学科を卒業。理学療法士の国家資格を取得後、2022年10月に研究生として東北大学に入学。2023年4月、東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻 内部障害学分野の博士後期課程に進学。現在、博士後期課程1年。