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講義・セミナー名 |
「学際という幻想?文理融合ではなく文理越境を?」 |
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開催日時 |
2008-03-05 15:00 |
開催場所 |
情報科学研究科中講義室 |
概要
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3 月5 日(水)午後3 時?午後6 時 場所:情報科学研究科中講義室
講演者: 佐倉 統
(東京大学大学院情報学環・教授。専門分野として科学技術社会論、進化生物学。)
「学際という幻想?文理融合ではなく文理越境を?」
<参考資料> 「学際研究の幹はどこにあるのか」(「思考の幹_学環紀要0711」)(希望者には配布)
講演要旨
学際研究や学際組織の難しさは、1960 年代から指摘され続けている。ここではその理由を、進化理論を
知識情報に適用することで説明を試みる。学問領域は生物における種(しゅ)に相当すると考えれば、
学際組織はすなわち異種間交配であり、子孫を残せないことになる。一方で、ラバのように一代限りの
雑種は頻繁に生じることから、学際研究も現実の問題を解決するための短期プロジェクトであれば成功
する可能性があると予想される。すなわち、課題志向型である。これは経験則には合致する。この考察
が正しいとすれば、大学における学際組織は副専攻のような位置づけが良いのかもしれず、異なる領域
を融合して新たな学問領域を形成するのではなく、既存の学問領域を越境していく方法と展望と知的体
力を身につけさせることが重要であろう。
* 聴講無料。問い合わせは、関本英太郎(メディア文化論)まで。