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講義・セミナー名
第9回若手フォーラム
開催日時
2008-06-27 15:30
開催場所
医学部5号館 2F201号室
概要

■日時: 6月27日(金)15:30-18:00(講演会後,交流会を催します)
■会場: 東北大学 医学部5号館 2F201号室
http://www.med.tohoku.ac.jp/access-j.html


■講演1:ストレス制御に関する認知神経科学的研究?社会的痛みと情動予期?

講師:小野田慶一 博士
(広島大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経医科学講座)

概要 :ストレスは多くの精神障害の発症,症状形成や持続に関与している。ス
トレス関連障害は脳内のストレス適応機構の破綻した状態と考えられ、ストレ
ス適応の脳内機構に関する検討は,精神障害の発症機序・治癒過程の解明につ
ながるため重要である。本研究では,ストレス制御の認知側面として情動の予
期と社会的サポートに着目し,その認知神経科学的なメカニズムを検討する。
情動予期は個体の生存及び感情制御の観点から重要な機能である。生体は刺
激を単に受動的に知覚するだけでなく予測することで環境に適応しており,予
測される事象がストレスフルである場合、より重要となる。また,こういった
個人内の認知だけなく,より社会的な認知もストレス制御に重要な機能を果た
す。ストレスフルな状況に置かれたとき,他者から提供される適切なサポート
はストレスを低減させる。情動予期とサポート受容に関する神経基盤をfMRIと
MEGを用いて検討した実験を紹介する。


■講演2:高次視覚野におけるfMRIとニューロン活動記録との比較
?fMRIはどこまでニューロン活動を反映するか??

講師 :澤村 裕正 博士
(東京大学医学部眼科視覚矯正科)

概要 :近年ヒトfMRIを用いて視覚野神経細胞群の刺激選択性を推測するのに
adaptation methods がよく用いられている。これはサルの電気生理学実験で既
に観察されている、単一刺激が繰り返されて提示された場合に減弱応答
(adaptation)が生じる、という現象を利用して単一視覚刺激が繰り返された
場合(A-A)と異なる視覚刺激が連続して提示された場合(B-A)に細胞群が示
した減弱応答が同程度であったならその細胞群は視覚刺激A及びBには選択性が
ないというものである。
しかしこの手法を用いるにはヒト及びサルのfMRIで同程度の減弱応答効果が認
められること、細胞群における電気生理学的刺激選択性と減弱応答の選択性と
が相関すること、という前提が必要である。
今回、ヒトfMRI、サルfMRI及び単一細胞活動記録を比較することによりこの前
提を調べた。結果、サル及びヒトFMRIで同様の減弱応答効果が観察される一
方、刺激選択性においては完全な相関は認められなかった。我々の結果からは
fMRIのadaptation methodsは刺激選択性を過剰評価している可能性があること
が示唆された。

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