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講義・セミナー名
第17回東北大学脳科学グローバルCOE若手フォーラム
開催日時
2009-08-28 15:30
開催場所
医学部 臨床講義棟2階 臨床中講堂
概要

日時:8月28日(金)15:30―18:30
会場:東北大学 医学部 臨床講義棟2階 臨床中講堂
※いつもとは場所が異なりますのでご注意ください。

ショウジョウバエ幼虫の運動回路の形成と可塑性
Formation and plasticity of motor circuits in Drosophila larvae
東京大学大学院理学系研究科 高坂洋史助教
神経細胞の興奮状態は、シナプスを介して隣接する細胞に順次受け渡されて、回路内を伝搬していく。我々は、ショウジョウバエ幼虫のぜん動運動をモデルとして、興奮状態が時間的に伝わっていくための神経回路基盤を、発生・解剖学的な見地から明らかにすることを目指している。ぜん動運動は幼虫の尾端から頭端に向かって伝搬する筋収縮で、尾端から頭端までおよそ1 秒で伝搬する。孵化直後の発達期において感覚神経細胞の活動を一過的に阻害したところ、成長後の幼虫においてこの伝搬速度が遅くなると同時に、感覚神経細胞が中枢内に形成するシナプスの形態が変化した。これは発達過程における感覚入力活動が、正常な運動出力を制御する回路の形成に必要であることを示している。この他に、現在進めている神経節内の神経活動可視化(Ca イメージング) を用いた興奮伝搬の回路機構の研究を紹介したい。

ショウジョウバエの食性進化と化学感覚受容
Evolution of host-plant preference and chemosensory genes in Drosophila
首都大学東京大学院理工学研究科 松尾隆嗣助教
昆虫の食性決定において、化学感覚受容の果たす役割は大きい。遺伝学のモデル生物であるキイロショウジョウバエに最も近縁でありながら異なる食性を示すセイシェルショウジョウバエの研究から、匂い物質結合蛋白質(odorant-binding protein: OBP) をコードする二つの遺伝子が産卵場所の選択に関与していることが分かった。末梢神経系で機能する遺伝子がいかにして食性の転換をひきおこすのか、行動の多様性を化学感覚受容にかかわる遺伝子ファミリーの進化から考える。

ポスター(PDF):17th-Wakate-Forum280809.pdf

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