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講義・セミナー名 |
東北大学脳科学GCOEセミナーのお知らせ |
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開催日時 |
2009-12-03 16:30 |
開催場所 |
星陵キャンパス・1号館2階 大会議室 |
日時 2009年 12月3日(木)16:30-18:00
会場 星陵キャンパス・1号館2階 大会議室
演者 小島正己 博士
産業技術総合研究所
セルエンジニアリング研究部門
バイオインターフェース研究グループ
演題 BDNFの分子内構造に注目した新しい神経栄養因子研究
BDNF研究は、ノックアウトマウスなどを用いた生理作用の研究だけでなく、多型に着目した脳機能や疾患脳の研究へと広がりつつあります。発表者の研究グループは、情報工学や構造生物学の手法を取り入れながら、BDNFの新しい分子機能および病態脳との関連について研究しています。本セミナーでは、最近見いだしたBDNFの新しい生理機能およびうつ病脳での分子病態について紹介します。
1. BDNF機能不全マウスのうつ様行動に関する病態生理学
他の成長因子と同様、BDNFも前駆体(proBDNF)から成熟体(mBDNF)へとプロセシングされるが、この反応が非効率となったモデルマウスでは顕著なうつ様表現型が見いだされた。自発的交替行動の異常に伴う神経活動履歴を調べたところ、うつ患者の精神抑止時のMRI画像に近い神経活動履歴の脳内マップが得られた。このような研究結果から、うつに対する生物学的診断基準としてのBDNFの役割を考察する。
2. BDNFの分子内干渉によるシナプス伝達調節メカニズム
BDNF pro-peptideの相互作用分子を表面プラズモン共鳴(SPR)により探索したとき、BDNF自身がBDNF pro-peptideに強く相互作用することがわかった。海馬スライス標本を用いた電気生理学の研究では、BDNF pro-peptideはBDNFに依存したシナプス伝達調節を阻害することも見いだされた。新しいシナプス伝達メカニズムの可能性を考察する。
連絡先:創生応用医学研究センター 形態形成解析分野(大隅典子)内線8203