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講義・セミナー名
東北大学脳科学GCOEセミナーのお知らせ
開催日時
2010-04-20 16:30
開催場所
加齢医学研究所・大会議室
概要

東北大学脳科学GCOEセミナーを開催いたします。

日時 2010年 4月20日(火)16:30〜18:00
会場 加齢医学研究所・大会議室
演者 藤山文乃 博士
   京都大学大学院医学研究科
   高次脳形態学教室 准教授
演題 大脳基底核ネットワーク解明へのアプローチ

パーキンソン病やハンチントン舞踏病の患者さんが直面する、“動きたいのに動けない”、”動きたくないのに動いてしまう” という謎に満ちた症状を引き起こしているのが大脳基底核です。また近年、大脳基底核はこのような随意運動機能のみならず、報酬を手がかりとした強化学習など高次機能にも重要な役割を担うことがわかってきました。運動と学習、この二つを実現する大脳基底核は、しかしながら未だ多くの謎につつまれています。私たちは大脳基底核の解明を困難にしている原因として、大脳基底核には “直接路・間接路” という概念と、線条体の生化学的コンパートメント構造を基にした“パッチ・マトリックス” という二つの概念が混在していることに着目しました。そこで私たちは古典的な形態学的手法に、小胞性グルタミン酸トランスポーター、遺伝子組み換えウイルストレーサー、遺伝子改変動物等、新たなツールを組み合わせることにより、この二つの概念を共存させたより正確な大脳基底核スキームを描こうと努力しています。私たちの悪戦苦闘ぶりを紹介しながら、大脳基底核の魅力を伝えたいと思います。

参考文献
Single nigrostriatal dopaminergic neurons form widely spread and highly dense axonal arborizations in the neostriatum., Matsuda W, Furuta T, Nakamura KC, Hioki H, Fujiyama F, Arai R, Kaneko T.
J Neurosci. 29(2):444-53., 2009.

Anatomical connections of the basal ganglia., Fujiyama F., Brain Nerve. 61(4):341-9., 2009.

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