拠点リーダー御挨拶

5年の成果を礎に、社会と世界へ向かう ―プログラム終了を契機に

間もなく、脳科学グローバルCOEの5年が終わろうとしています。5年の最大の成果を問われれば、それは、「人」に尽きます。私たちは、大学院生、そして、博士研究員であるフェローの多角的な教育に全力を挙げてきました。彼らが、研究室の中で最先端の研究を行い技法を学び新たな知見を得ることは前提です。それに加えて、どうしたら他の研究室から学ぶことができるのか、共同研究を進めるにはどうしたらいいのか、専門知識を共有しない相手に如何にして語りかけるのか、言葉や文化が違う相手とどうやって共に何かを進めていけるのか、そうしたことを試行錯誤もしながら具体的に伝えてきました。何人もの修了生、出身者を輩出した今、改めて、彼らが身につけた多様なスキルと人脈こそが成果の中心だと言えます。

2011年3月11日の大震災は、私たち研究者からも多くのものを奪いました。震災直後から、遠くに巣立った修了生からは温かい激励をもらい、彼らは、周囲に状況を伝え支援を呼びかけ、また、仙台の現役のメンバー達は復興に奮闘し、加えて研究に邁進し成果をあげてきました。私たちがプログラムを通じて育て作り上げてきたものは、決して壊されず何ものにも奪われえないものだと確信した1年でもありました。

この拠点の活動を支えて下さった多くの方々に対して、心から感謝をささげます。

2012年1月吉日
東北大学脳科学グローバルCOE
脳神経科学を社会へ還流する教育研究拠点
拠点リーダー
大隅 典子

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