研究科長の言葉

文部科学省による「大学院教育改革支援プログラム」の趣旨は、我が国の大学院教育を飛躍的に充実することにあります。すなわち、「知的存在感のある科学立国」に向けて、独自に研究基盤を形成できる能力を持ち、また、独創性に富んだ科学を発展させる能力を持った人材（博士・修士）を養成していくことの重要性が理解され始めているのです。東北大学医学系研究科は、その理念に「指導的臨床医の養成」と「指導的研究者の養成」を掲げており、従来からこの方向性を先取し、努力を積み重ねてきました。そこで、昨年度にあった上記プログラムの公募に際して、「多層的かつ双方向性の大学院医学教育実質化-指導的フィジシャンサイエンティスト養成ルネサンス計画」と呼ばれる大学院教育実質化事業を策定・提案しました。この計画の基本は、本医学系研究科の研究・教育体制のさらなる充実を計ることにより、医学部で学ぶ多くの学生が、そのキャリアパスの一環として、大学院に進学して博士（医学）の学位を目指して研究生活を送ることに魅力を感じていただけるようにすることです。私は、医学系研究科の卒業生に、研究・臨床の各現場で中核的指導者として活躍して頂きたいと期待しています。指導者に求められることは、優れた技術を身につけること、また、研究マインドを涵養することです。批判精神を磨き、バランスの取れた運営能力を身につけることも大切です。そして、なによりも創造性に溢れる実践能力を身につけて頂きたいと思います。