東北大学大学院医学系研究科 大学院教育改革支援プログラム

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概要

目的

東北大学医学系研究科の医科学専攻医学履修課程(以下「医科学専攻」と呼ぶ)は定員144名の超大型医学系専攻である。大学院重点化以来、東北大学の「研究第一主義」の理念のもとに集う大学院学生数は増加の一途を辿っており、とりわけ本研究科には約500名の臨床系大学院学生が在籍している。一方、大学法人化による大学病院経営強化や初期研修必修化の流れの中で、全国医学系研究科が直面する問題として、臨床系大学院指導層の希薄化と大学院学生の「研究指向の低下」が顕在化している。臨床研究を通じて医学と社会を発展させる人材(フィジシャンサイエンティスト)が,枯渇する危機に直面している。こうした事態に対し本研究科では、教育体制の強化(後述)や教職員総力をあげての研究指導を実施してきた。しかし、従来からの徒弟制的指導体制と座学型授業体系では学際性を増しつつある医学に対応できるフィジシャンサイエンティストを養成するには不十分であるとの認識が教員と学生の双方に強まっている。そこで、多様な才能をもった有為な医学系人材の系統的な養成を行う目的で、大学院教育のルネサンスに向けた提案を行うことを企画した。本申請プログラムは、「複数教員指導制」の実質化を徹底し、博士(医学)の学位を目指す研究活動の中で自立性・協調性の涵養を図り、また、知識と経験の両面から国際性と学際性を育み、国際的に通用する「指導的フィジシャンサイエンティスト」の育成を目ざすものである。

戦略

本申請計画では、「複数教員指導制」を実質化し、1)高度の専門性と学際性を育成する3つのコースワーク授業(分子医科学、社会・環境医学、先端臨床医学)、2)国際性の涵養を図る国際化育成プログラム(海外インターンシップ)、3)研究活動にリンクした実習課題を通して自主性を育成する研究企画・展開力育成プログラム(研究推進・研究倫理ゼミナールと学際領域ゼミナール)を新たに実施する。特色は、大学院学生全員に必修ゼミナール形式による研究テーマ提案と研究進捗状況の中間報告を課す多層的な研究指導を行う点である。大学院課程で新たに2度、成績評価とフィードバックの機会を設ける。そして成績優秀学生を顕彰し、当該大学院学生に発表の場の提供し、そのプロジェクトの支援強化を行う。このような取り組みを通して、大学院学生は質の高い研究の企画力・展開力の涵養と同時に、研究費獲得など実際の研究遂行スキル向上も期待される。高学年の学生は、ルネサンスTAとして研究テーマ提案・進捗状況について評価者となる。実質的な複数教員指導制は、学生教育や教育プロセス管理に機能するだけではなく、教員にとっても研究指導力向上や異分野との協力体制構築など、キャリアディベロップメントにもなる(双方向性の教育)。海外インターンシップなどのフィールド授業を推進するとともに、大学院学生やアドバイザー教員への情報発信機関(「拠点広報室」)を設置して、ホームページやメーリングネットワークを利用した教育支援の充実も図る。

取り組み

取り組み

対象 1・2年

コースワーク充実

充実した講義内容、学生ニーズに合った選択授業

分子医科学科目・先端臨床医学科目・がんプロ科目・神経科学科目・社会・環境医学科目・分子イメージング科目・TR科目

対象 1・2・3年

研究力育成プログラム

研究力、研究倫理観アップ

スターター申請

1年次に研究企画申請実習を行う。
実習を行いリトリートにて発表する。
研究資金援助

ブースター申請

2、3年次に研究計画申請実習を行う。
実習を行いリトリートにて発表する。
研究資金援助

対象 1〜4年・教員

国際支援化プログラム

国際的視野、学問的思想をアップ

海外研究拠点インターンシップ

国内・国際学会派遣、短期海外留学派遣の資金援助

招聘研究者の大学院セミナー

国際的に活躍する学者による大学院セミナー開催の資金援助

対象 教員

複数教員指導制度

大学院教員の指導力の向上、教育資金援助

  • 大学院教育FDセミナーにより教員の
    指導力育成(大学院生指導をライセンス化)
  • 国内・国際学会引率参加の資金援助
  • 研究指導への資金援助
若手指導員→系クロス複数指導制→教員指導力UP
大学院共同利用施設の拡充

大学院教育環境の改善