活動内容

第2回脳科学GCOE「オープンラボ」(09.02.27)

去る2月27日(金)に第2回脳科学グローバルCOEオープンラボが開催されました。

今回はゲノム行動神経科学グループ主催で行い、仲村研、山元研、大隅研3研究室のコラボレーションによる開催となりました。場所は大隅研で、筆者も運営側の一人として実験手技の紹介を致しました。その日の模様を、参加者および運営者からのアンケートをもとに報告します。

大隅研・篠原氏による実験手技の紹介











今回紹介された研究手法は
 1.野生型マウス(C57BL6/J)に対する片側総頸動脈結紮手術
 2.齧歯類胚への子宮内電気穿孔法による遺伝子導入
 3.鳥類胚への電気穿孔法による遺伝子導入
 4.脳神経系標本観察(マウス・ラット・ウズラ・ニワトリ・ショウジョウバエ)
以上の4種でした。

参加者は15名、実験手技実演および説明に携わった運営者は7名という内訳でしたが、「質問し易い雰囲気であった」、「暇すぎず、忙しすぎず、疲れてしまうこともなかった」、「これ以上の人数では(中略)、単に見学になってしまう」ということで、スペース・実験内容に対して丁度良いバランスになっていたようです。

研究室を越えた交流

 感想として「日頃あまり研究室間で交流が無いのを補うには絶好の機会」や「教科書や論文などから読むだけではイメージが湧かなかった実験手技を身近で体験できたことが参考になった。」という意見が多くありました。
「ハンドアウトがあるとより理解が深まったと思う」という指摘もあり、今後の改善点としたいと思います。
 また、意外と多くの意見として、「今、自分の用いているものより便利な手術器具や実験機材の存在を知ることができ、購入を検討しようと思った。」というものがあり、「情報量が格段に多く、実用性のある情報を得る機会」となったようです。


脳神経系標本を観察する

 大変好評を得たことのひとつは、参加者の方々に実際に実験を体験していただいたことです。行ったのは“マウスの血管結紮手術”や“鳥類胚の術前操作”でしたが、日頃ウェットな実験をされていない方はもとより、扱っているモデル動物が異なる方にとっても新鮮な経験となったようです。
 個人的には、事前に打ち合わせを重ねていても突発的なハプニングがあり、また生物を扱っている以上、実験の失敗も生じる点もありましたが、それらにどのように速やかに対処するか、をも含めてありのままの日常的研究風景を御覧頂けたものと思います。


先生方による活動視察の様子

 今回のオープンラボを通じて研究室間や分野間に生ずる距離を、十分な説明や実際に参加者へ手を使って体験して頂くことによって、縮めることが幾許なりかは出来たのではないかと思います。さらには対話を通じて互いのコミュニケーションを深めることもできるのが、オープンラボの効用であると思います。忙しい研究のなかの準備は若干の負担ともなるでしょうが、見聞を広げる格好な機会であるので、今後も積極的に開催し、また、多くの参加を得て、オープンラボを益々有意義な存在としていきたいと思います。


(アンケート協力:オープンラボ参加者および運営者のみなさま、編集・文責:形態形成解析分野 篠原広志)

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