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日米国際連携による希少がんの本態解明研究 ~十二指腸乳頭部がんの大規模ゲノム解読を実施~ がんゲノムの「進化」も新たな手法で実証

 国立研究開発法人国立がん研究センター 研究所・がんゲノミクス研究分野の谷内田真一 ユニット長らの研究グループは、希少がんである十二指腸乳頭部がん(ファーター乳頭部がん)について、世界で初めて全エクソン・シーケンス解析をはじめとする大規模ゲノム解読を行い、特徴的ながん関連遺伝子(ELF3)と治療標的となり得る遺伝子異常を同定し、さらに新技術の導入により同一腫瘍内のゲノムの不均一性とその「進化」を実証しました。

 がんゲノムの「進化」とは、ダーウィン的理論にしたがい、発がんから治療に至る時間経過のなかでがん細胞が競合的選択に曝されることで自然淘汰され、抗がん剤が効かなくなる薬剤耐性を獲得するなど同一腫瘍内でも遺伝子異常を蓄積しながら変化し続けることです。

 本研究成果は、米国専門誌「Cancer Cell」2月号の掲載に先行し、オンライン版にて公開されました。

 本研究は、文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(システムがん:領域代表 宮野 悟 東京大学医科学研究所 教授)などの支援を受け、日本の6施設(国立がん研究センター中央病院、東北大学、東京女子医科大学、和歌山県立医科大学、広島大学、香川大学)と米国メリーランド州・ジョンズホプキンス大学との国際連携で収集した172例の十二指腸乳頭部がんの手術検体(凍結サンプル)を用いて、同がん種の本態解明に挑むべく実施しました。また、がんの進展メカニズムの解明においては、オリンパス株式会社が新開発した組織分取機器(Glass Chip Macrodissection:GCM)を用いました。

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