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児玉栄一教授らの研究をもとに新しい抗HIV薬が商品化されました

児玉栄一教授(東北大学大学院医学系研究科協力講座 災害科学国際研究所災害感染症学分野)が日本たばこ産業株式会社(JT)と共同研究した抗HIV薬(エルビテグラビル:HIVインテグラーゼ阻害剤)を含む「ゲンボイヤ配合錠」が昨年11月のアメリカ食品医薬品局の承認(Gilead Sicences Inc,(米国)が承認取得)に続き、日本でも6月に製造販売承認を取得。本配合錠は7月8日に鳥居薬品株式会社から商品化されました。

後天性免疫不全ウイルス(HIV)は免疫に重要なリンパ球に感染、破壊します。そのため本来なら自分の力で抑えることのできる感染症を抑えられなくなります。近年、複数の抗HIV薬を用いることによって、免疫力の回復だけでなく、HIV感染者からの感染拡大も阻止できるようになりました。しかし、薬剤耐性HIVの出現や服薬しなければならない錠数の増加が問題でした。

児玉教授とJTが共同研究したエルビテグラビルは他のクラスの抗HIV薬に対して高い耐性を獲得したHIV変異株であっても極めて強力な抗HIV活性を示します。「ゲンボイヤ配合錠」は、エルビテグラビルとGilead社が開発したコビシスタット(エルビテグラビルの血中濃度を上昇させる働きを持つ)、および核酸系逆転写酵素阻害剤2剤(エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミド(TAF))の計4剤を配合した錠剤で、1日1回1錠の服用で治療を行います。エルビテグラビルを含む配合剤としては、鳥居薬品株式会社が2013年より国内で販売している「スタリビルド配合錠」がありますが、「ゲンボイヤ配合錠」は「スタリビルド配合錠」の4つの有効成分のうち、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)をTAFに置き換えたものです。TAFはテノホビルの新規プロドラッグであり、TDFの安全性の懸念である腎臓や骨への影響が軽減されることが示されています。

なお、本研究は児玉教授が京都大学に在籍中に実施されました。

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