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父親の高齢化が精子形成に与える影響を解明 – 加齢精子ヒストン修飾変化と子どもの神経発達障害のリスク-

 大規模な疫学調査により、父親の高齢化が子供の神経発達障害の発症リスクに関わると報告されています。その発症メカニズムの解明を目指し、東北大学大学院医学系研究科発生発達神経科学分野の研究グループは、マウスの精巣において精子形成過程のエピゲノム変化を体系的に解析し、加齢による変化をカタログ化しました。遺伝子の働きを制御するいくつかのエピゲノムマーカー(ヒストンタンパク質メチル化修飾等の量)は精子形成過程において加齢に伴い大きく変化することを見出しました。たとえばエピゲノムマーカーのうち、精子のH3K79me3の量は、仔マウスの音声コミュニケーションの異常と高い相関性が見られることから、次世代個体の行動に関する「予測マーカー」としての意義があると考えられています(特許第6653939号)。
本研究で得られた知見により、父親の加齢がリスクとなる子の神経発達障害の発症メカニズムに関する理解が進むと考えられ、将来的に父親の加齢がリスクとなる次世代の疾患を予想するための診断法の開発等につながると期待されます。

 本研究成果は、「PLOS ONE」に、米国時間2020年4月8日午後2時(Eastern Time)に掲載されました。

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