• TOP
  • NEWS
  • パーキンソン病病原タンパク質の受容体を特定 〜病態メカニズムの解明、進行抑制治療開発に期待〜

お知らせ

  • プレスリリース

パーキンソン病病原タンパク質の受容体を特定 〜病態メカニズムの解明、進行抑制治療開発に期待〜

パ−キンソン病では、凝集したαシヌクレインとよばれるタンパクが神経細胞間を伝播し蓄積することで神経細胞死が誘発されますが、その詳細なメカニズムは不明でした。
東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野 長谷川 隆文(はせがわ たかふみ)准教授、石山 駿(いしやま しゅん)医員らの研究グループは、凝集αシヌクレインが脳内で拡大・蓄積するメカニズムを明らかにしました。本研究では、脳全体の膜タンパク質を網羅的に探索し、神経細胞表面の凝集αシヌクレインの取り込み口となる受容体タンパク質として、ソーティリンを新たに同定しました。ソーティリンと結合した凝集αシヌクレインは細胞内へ取り込まれ、エンドソームとよばれる袋状の構造体に運ばれて蓄積します。パーキンソン病および類縁疾患である多系統萎縮症患者脳内のαシヌクレイン陽性のレビー小体・グリア細胞内封入体でソーティリンの集積が検出され、ソーティリン発現抑制・抗ソーティリン抗体により、凝集αシヌクレインの神経細胞への取り込みと蓄積が有意に抑制されることが明らかとなりました。
これらの知見は、パーキンソン病関連疾患の病態解明に貢献すると同時に、今後の進行抑制治療薬の開発に寄与することが期待されます。

本研究成果は、2023年6月5日に米国実験生物学会連合の科学誌The FASEB Journalに掲載されました。

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科
神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
准教授 長谷川 隆文(はせがわ たかふみ)
TEL: 022-717-7189
E-mail: thasegawa*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●報道に関すること
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
東北大学病院広報室
TEL: 022-717-7149
E-mail: press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

ページトップへ戻る