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ミトコンドリア病治療候補薬 MA-5によりモデル生物の神経・筋老化を抑制 ―活動性低下を改善し健康寿命延伸への寄与を目指す―
神経や骨格筋の老化は心身の働きを弱めフレイルの発症につながるため、高齢化社会における深刻な問題です。また老化においては、様々な組織・器官におけるミトコンドリアの働きやその量が低下することも知られています。
東北大学大学院生命科学研究科の東谷篤志教授らの研究グループは、同大学大学院医学系研究科の阿部高明教授と共同で、阿部教授らが開発したミトコンドリア病治療候補薬MA-5が老化に伴う活動性の低下を予防・改善に有効であるかどうかを、モデル生物Cエレガンス(線虫)を用いて調べました。
その結果、線虫の加齢に伴う運動性ならびに神経反射応答性の低下がMA-5投与によって抑えられることが確認できました。老化した線虫の細胞レベルで解析したところ、運動に不可欠な体壁筋細胞内のミトコンドリアの断片化と消失、それを惹起するミトコンドリアCa2+の過剰蓄積、頭部の感覚神経では樹状突起にみられる損傷の進行がいずれも少量のMA-5の投与を続けることで緩和されました。本成果により、MA-5の投与によるフレイル発症の予防・改善につながることが期待されます。
本成果は、加齢研究の専門誌npj Agingに2023年8月1日付けで掲載されました。
【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院生命科学研究科
教授 東谷 篤志(ひがしたに あつし)
TEL: 022-217-5715
E-mail: atsushi.higashitani.e7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
●報道に関すること
東北大学大学院生命科学研究科広報室
高橋さやか(たかはしさやか)
TEL: 022-217-6193
E-mail: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)