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パーキンソン病のエピゲノム病態を解明 〜新たな進行抑制治療開発の標的として期待〜

パーキンソン病は、65歳以上の100人に1人が罹患するとされる有病率の高い神経変性疾患です。これまで同疾患の分子病態の主役であるタンパク質「αシヌクレイン」がエピゲノムに関与することで神経細胞死が生じると推定されてきましたが、その明確な役割は明らかになっていませんでした。
東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野 菅野直人(すげのなおと)助教、中村貴彬(なかむらたかあき)非常勤講師らの研究グループは、αシヌクレインが、エピゲノム環境を変化させることにより神経細胞の機能維持を阻むことを明らかにしました。本研究では、実験細胞を用いてエピゲノム制御が主として行われる核タンパク質の中からαシヌクレインと関連する因子を網羅的質量分析によって探索し、BAF複合体と呼ばれるヒストンリモデリング因子とヒストン修飾酵素PTMT5を同定しました。これらの作用はαシヌクレイン存在下で増強し、ヒストン修飾を変容させて転写が抑制されることにより神経の恒常性が失われることが分かりました。本研究成果はαシヌクレインがもたらすエピゲノム変容に関して、αシヌクレインと直接結合する核タンパク質を出発点とした機構の最初の報告であり、パーキンソン病関連疾患の病態解明に貢献すると同時に、今後の進行抑制治療薬開発に寄与することが期待されます。

本研究成果は、2023年12月17日に生物医学分野の科学誌The FEBS Journalのオンライン版に掲載されました。

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科
神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
助教 菅野 直人(すげの なおと)
TEL: 022-717-7189
E-mail: sugeno*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●報道に関すること
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
東北大学病院広報室
TEL: 022-717-8032
E-mail: press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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