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家族性先天性甲状腺機能低下症を起こすゲノム異常を特定 〜遺伝性疾患研究は新たな段階へ〜

 慶應義塾大学医学部小児科学教室の鳴海 覚志教授、東北大学東北メディカル・メガバンク 機構ゲノム解析部門の田宮 元教授・高山 順准教授、国立成育医療研究センター周産期病態研究部の中林 一彦室長らの研究グループは日本人先天性甲状腺機能低下症患者を対象とした研究を行い、15番染色体の非コードゲノム異常が疾患発症に関わることを特定しました。これまで先天性甲状腺機能低下症の親子例の90%以上が原因不明でしたが、75%がこの異常によることがわかりました。また、成人ではこのゲノム異常が腺腫様甲状腺腫の原因となることもわかりました。東北メディカル・メガバンク機構の試料の解析から、この異常の一般住民調査参加者における頻度は約 12,000 名に1名でした。
これまで非コードゲノムはほとんど機能を持たないと考えられてきましたが、先天性疾患と成人疾患の両方において、一般住民でも観察されるほど高頻度な異常が存在することが世界で初めて示されました。同様の研究手法を原因不明の遺伝性疾患に応用することで、非コ ードゲノムが持つ機能の解明が進むことが期待できます。
本成果は、2024年5月7日(米国 東部標準時間)に Nature Geneticsのオンライン版に掲載されました。 

【問い合わせ先】
東北大学東北メディカル・メガバンク機構 広報戦略室:長神
TEL:022-717-7908
E-mail:tommo-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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