お知らせ
放射線検査学分野の大学院生が日本放射線安全管理学会 令和6年度「研究奨励賞」を受賞しました
放射線検査学分野大学院生の高平 咲希さんらの論文が日本放射線安全管理学会 令和6年度学術業績賞「研究奨励賞」を受賞しました。
12月17日にその授賞式および受賞講演が京都大学百周年時計台記念館にて開催されました。
受賞論文:
「X線透視下での気管支鏡検査における医師の水晶体被ばくの評価」
(高平 咲希、芳賀 喜裕、曽田 真宏、阿部 美津也、加賀 勇治、木村 雄一郎、稲葉 洋平、千田 浩一)
日本放射線安全管理学会誌、23巻2号、62-69、2024、
https://doi.org/10.11269/jjrsm.23.62
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrsm/23/2/23_62/_pdf/-char/ja
受賞理由:
気管支鏡検査におけるX線透視の使用は診断の精度や治療成績の向上に役立つ一方で、それに従事する医療従事者の被曝、特に水晶体の被曝が懸念される。したがって、その被曝線量を評価することは重要である。本論文では、X線透視下で気管支鏡検査の手技を行う医師15名について、1年間にわたって水晶体被曝線量を測定し、その線量が20mSv/年を超えた医師が1名いた他、15名の平均値が9.0mSvで、中央値が8.3mSvであったことを報告している。
本論文では、単に水晶体の被曝線量の測定を行ったのみではなく、医師が担当した手技件数、透視時間、空気カーマ、撮影回数、患者のBMIと水晶体の被曝線量との間の相関も検討し、これらが水晶体の被曝線量増加の危険因子であることを示すとともに、水晶体被曝線量の予測に使える可能性を示した点、本学会として高く評価できるものであり、研究奨励賞を授与するに値するものである。



