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東北大学医学部 保健学科 看護学専攻卒業後、みんな今どうしている?
~卒業生へのインタビューを通して~

みなさん、卒業後の進路、気になりますよね?今回が初のこの企画では、これまでに本学を卒業された方々に対して、今どんな領域で活躍されているのかをインタビューしてみました。高校生のみなさん、看護師・保健師・助産師も含め、様々な道を切り拓いている卒業生の今を知り、広い視野をもって、東北大学で学んでみませんか?

  • 佐藤貴史さん 2008年卒/1期生 地方自治体 保健師

    自己紹介をお願いします。
    人口10万人以下のとある市で働く保健師10年目です。看護学専攻1期生です。
    大学卒業後、東北大学病院集中治療部(ICU)に3年間勤務した後、自分の実家がある地方自治体の保健師になりました。

    現在の進路を選択した理由を教えてください。
    病気や怪我で辛い思いをしている方の力になりたいと強く思い、将来は医療関係に進みたいと中学生の頃から思っていました。医療関係の仕事はたくさんありますが、患者さんと向き合った仕事がしたいと思い、検査技師や放射線技師ではなく看護職を選びました。東北大学を選択した理由として、総合大学である東北大学なら医学部以外の人とも交流をもつことができ、看護学に限らず、いろんなことを学ぶことができるのではと思ったからです。
    実際、川内キャンパスでは、経済学部や法学部など他学部の人と交流する機会があり、とても楽しかったです。
    大学卒業後は、最先端の急性期看護(救急や集中治療部、外科)に進みたく、東北大学病院に就職しました。運良く集中治療室に配属となり、とても充実した3年間を過ごしました。地元に両親を残していたので、実家に帰ることとなり、保健師になりました。保健師は、看護師の時と異なり、高血圧や糖尿病、腎臓病なと慢性疾患を抱えている方や精神疾患の方と向き合うことが多くなりました。

    お仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等があれば教えてください。
    保健師の仕事は、経験を積めば積むほど奥が深いです。病気や障がいだけでなく、その方のいままでの人生や生活、家族にも関わり、その方とずっと(自分が定年退職するまで)関わっていきます。年が経過すれば、病気や障がいだけでなく家族構成や経済状況など、その方の状況も変わってきます。病気や障がいだけに向き合うのではなく、その方の人生に向き合わなくてはなりません。深く関わることができることにやりがいや魅力があるとともに大変なことでもあります。災害時の対応、感染予防なども仕事でありますよ!それと、乳幼児健診には、毎回癒されます。

    高校生に向けたメッセージをお願いします。
    看護職は、お医者さんよりも患者さんにより寄り添うことができる職業だと思っています。
    自分は男性ですが、看護職を目指したいと思うのであれば性別は関係ないです。なりたい職業を目指してほしいです。看護職を目指すのであれば、環境が揃っている東北大学をお勧めします。充実したキャンパスライフが待ってますよー。

  • T・Yさん 2008年卒/1期生 独立行政法人 産業保健師

    自己紹介をお願いします。
    1期生として卒業して3年間の臨床経験を積んだ後、青年海外協力隊の看護師隊員として西アフリカで活動しました。帰国後は、5年間の臨床経験を経て退職し、国内機関の在外現地事務所に産業保健師の役割で従事しました。現在は、日本で育児に専念中です。
    現在の進路を選択した理由を教えてください。
    学生時代から海外に興味があり、自分の視野を広げるためにも看護職という専門性を活かして病院以外の場所で働くことを望んでいました。学生時代、講義の中で協力隊OBや産業保健師のお話を聞く機会を得たことも自分の選択肢が広がる一因となりました。
    お仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等があれば教えてください。
    看護職が現場に1人しかいないため、周囲の理解を得るのが困難であったり、自分で全てにアプローチしなければいけない点が大変でしたが、健康管理強化や個別の健康相談など専門性を活かせました。また、電話やメールで応対することも多く、学生時代や臨床で培ったアセスメント能力が活かされています。
    高校生に向けたメッセージをお願いします。
    看護学を学んだ先の可能性は意外と広いです。学生時代には、一般教養を学ぶとともに看護学においても技術や知識よりも看護学という視点を通してものの考え方を学ぶことが一番大事だと思います。幅広い視点をもつ本学で学び、自分の好きな道を選択できる看護職になって頂ければと思います。

  • 【青木由紀絵さん 2008年卒/1期生】(システムエンジニア→保健師→アメリカでパラリーガル)

    Q:公開可能な範囲での自己紹介をお願い致します。
    A:私は2004年に東北大学の医学部保健学科看護学専攻に1期生として入学し、2008年に東北大学を卒業しました。卒業時には、看護師免許と保健師免許を取得しました。卒業後、東京大学総合文化研究科に進学、大学院にて筋生理学を専攻し学びを深め、修士課程を修了しました。その後、システムエンジニアとして3年働き、その後、夫の転勤に伴い、沖縄に引っ越し、地域保健師として2年働きました。現在はアメリカに暮らしており、特許事務所にて、特許事務職員として働いています。

    Q:なぜその進路を選択したのでしょうか?
    A: 大学3年生の時に、基礎看護研究と出会い研究の面白さに惹かれました。その後より深く生理学を学ぼうと東京大学の大学院に進みましたが、そこで挫折を経験しました。大学院卒業後、システム開発に関わる仕事をし、それを後に医療の仕事に活かしたいという想いからシステムエンジニアの仕事に就きました。システムエンジニアの仕事に達成感・満足感もあったため、沖縄への転勤のタイミングで念願の保健師の仕事に就いてみようと考えました。その後も自分の興味も大切にしながら、夫の転勤に合わせて仕事の場を変えていきました。

    Q:やりがいは何ですか?
    A:保健師の仕事のやりがいは、自分がたてたプロジェクトの効果が数字としてあらわれることです。
    また、どの仕事にも共通して言えますが、自分が関わったことで、相手の健康状態が良くなったり、その人の生活が変わったりして、相手に出会えて良かったと言ってもらえた時、とてもやりがいを感じます。

    Q:魅力的な点は何ですか?
    A:保健師の仕事の魅力は、幅広い世代の方々と関わり、影響を与えることができるところだと思います。私が保健師として関わった地域は、小さな村だったので、そこに住む家族全員を診ることができ、その効果を実感できました。
    また、今は特許事務職員としてアメリカで働いているので、アメリカで働くことの魅力についてお話しさせていただきます。日本国内の一地域だけでなく、外に目を向けることで、色々な人種の方と関わり、色々な仕事のやり方をみることができます。日本では、細部まできっちりこだわって時間をかけて完全に仕上げるやり方が当たり前だと思われていますが、アメリカでは、スピード感を重視し、少しエラーがあっても良いのでどんどん仕事を進めていくスタイルが主流でした。外国で働くことで、様々な働き方を知ることができる点はとても魅力的だと思います。

    Q:大変なことは何ですか?
    A:保健師は、看護師とは異なり、長期間住民の方々と関わります。時には、そのプライベートまで踏み込み、生活の改善を一緒に行っていかなければならない場面もあります。私は、沖縄で保健師をしていた時、保健師として働きながら、その村に自分も住民として住んでいたため、仕事とプライベートを程よくわけ、住民の方々と人間関係を構築していくのが大変でした。
    アメリカでは、仕事のやり方がかなり異なるため、その違いにお互い戸惑う場面もあり、大変でした。

    Q:高校生へのメッセージをお願いします。
    A:東北大学は総合大学なので、東北大学に入学することで他学部の学生と交流を持つことができます。社会人になってからも、様々な形でこれまで関係を築いてきた方々と関わることができ、人生が豊かになります。また、東北大学では「研究」が強いので、看護師・保健師・助産師などに興味がある方だけでなく、将来的に研究の道に進みたいと考える方にも、是非目指していただきたいと思います。

  • 佐藤聡美さん 2009年卒/2期生 東北大学病院 助産師

    自己紹介をお願いします。
    山形県出身です。助産師として東北大学病院東6階病棟(総合周産期母子医療センター・産科部門)に就職しました。気仙沼市立病院へ2回の助産師出向を経験し、妊産婦ケアに10年以上従事しています。J-MELS(母体救命)ベーシックインストラクター資格を取得し、院外活動にも積極的に取り組んでいます。

    現在の進路を選択した理由を教えてください。
    幼い頃から看護師を目指していましたが、東北大学看護学専攻では当時4年間の在学中に、看護師、保健師、助産師の資格取得が可能であり、将来の進路の可能性を広げることができると思い入学しました。現在、保健師資格は大学院進学が必要となるようですが、より深い学びを得ることができると思いますし、将来の選択肢を多く持てるため、やはり東北大学看護学専攻の強みではないかと思います。そして入学後に助産師を志す友人に出会ったことが、この道を選んだきっかけです。実習で命が誕生する瞬間に立ち会い、陣痛に耐える母親や先輩スタッフの包み込むようなケアを見て心が動かされました。

    お仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等があれば教えてください。
    母親がお産の時に感じたことはずっと記憶に残り、その後の育児に影響します。合併症のある妊産婦や高齢出産の増加の他、最近ではコロナの影響もあり面会禁止となっているため出産や育児の始まりに不安を感じている妊産婦も多いです。妊産婦に寄り添い、妊産婦のちょっとした思いを大切にして声を掛けるようにしています。感染対策は大変ですが、生まれてきた赤ちゃんを見た時に皆が笑顔になり、「よかった」と育児をされて退院していく姿をみるとうれしくなります。

    高校生に向けたメッセージをお願いします。
    東北大学看護学専攻は全国各地から学生が集まってきますので、様々な考え方の友人に出会い、一生の財産を築けると思います。先生方の指導も熱心ですので、親身になって将来の相談に乗ってくれます。将来を見据えて今回オープンキャンパスに参加されている方もいれば、まだまだ迷われている方もいると思います。東北大学看護学専攻は様々な将来の選択肢がありますので、学びながら目指すものを見つけることもできるはず。ぜひ楽しい充実した大学生活を送ってください。残りの高校生活も今しかできないので楽しんでくださいね。

  • 【S・Sさん 2010年卒/3期生 東京消防庁】

    ①公開可能な範囲で自己紹介をお願いします。
    消防本部に勤務しており、これまでに消防署でポンプ隊や救急隊を経験した後、現在は本庁で救急行政全般にかかわる施策の構築及び計画の策定に携わっています。

    今の進路を選択した理由は何ですか?

    将来を考えたとき、日々の暮らしの中で、火災や救急、地震や台風による水害などの「災害」が以外と身近にあることに気付きました。災害に携わる職業は数多くありますが、何かあれば現場に駆け付ける消防という存在は、災害が起きていないときでも、地域に暮らす方々の安心につながっていると感じ、興味を持ったのがきっかけです。本学科では、看護に関する専門的教育のほか、大学生活を通じて様々な仲間や学問と触れ合うことができ、広い視野で自身の進路と向き合うことができると思います。本学で得た医療に関する知識、科学的な視点に立った考え方は、現職務においても随所に結びついていると感じます。

    今の仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等はなんでしょうか?

    私の現職務では、地域の方々と直接接する機会こそありませんが、各施策を通じて、より多くの方々に安全と安心を提供できる立場にあると感じています。一方で、新型コロナを始め、多様な社会環境の変化に対応し続けなければならない点などは大変ですが、自身の知識や経験を活かせる部分も多分にあり、大変やりがいを感じています。

    高校生へのメッセージをお願いします。

    本学科のオープンキャンパスをご覧いただいている皆様からすると、私の経歴は余り参考にならないかも知れません。しかしながら、ほとんどの同期が病院等へ就職する中、あえて違う道に進んだ身として、本紙を通じて「知識・経験は無駄にならない」ということを皆様に感じ取ってもらえると嬉しいです。コロナ禍において、高校生活の多くの場面で、様々な我満を強いられていると思います。なんで私たちが…と思うことも沢山あると思いますが、見方を変えることで、何かをできなかった経験を、(困難な状況下で)何かをやり切った経験に昇華できると思います。皆様にしかない経験を携え、皆様にしかできない医療者を目指してください。東北大学にはきっと、そうした皆様にとって、最高の環境が揃っていると思います。

  • N・Sさん 2011年卒/4期生 大学病院精神科病棟 看護師

    ①自己紹介をお願いします。
    秋田県横手市出身の東北大学医学部看護学科4期生です。卒業後は仙台厚生病院(循環器内科・心臓血管外科病棟)に2年間勤務し、その後、東北大学病院に入職しました。大学病院では、循環器内科・心臓血管外科を3年、集中治療部(ICU)を2年経験し、精神科病棟で今は働いています。

    現在の進路を選択した理由を教えてください。
    高校生の最初の頃に東北大学への憧れがあり、そこから漠然と医療関係の道に進みたいと考え始め、高校3年生になり医療ドラマなどの影響もあり、看護の道に進みたいと思い、東北大学看護学科を受験しました。東北大学では一般教養もしっかりと学習することができ、看護の実習では東北大学病院で実習することができます。総合病院のため、様々な診療科で実習をすることができ、将来入職する際、“この分野をやりたいな”“あの診療科の看護師さん達はすごかったな”など希望する科を選択する際にも役立てられます。私は最初東北大学病院ではなく違う病院に入職しましたが、東北地方の拠点病院である総合病院で、より幅広い知識を身につけたいと思い東北大学病院へと転職しました。

    お仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等があれば教えてください。
    看護師として11年目になります。その中で辛いこともたくさんありましたが、その分楽しいこともたくさんありました。その中で私が一番やりがいを感じることはやはり、患者さんから感謝の声をかけられる時です。それは、足浴や手浴などの日常的な看護ケアの最中であったり、患者さんがよくなり退院する時であったりと場面は様々ありますが、一言“ありがとう”“お世話になりました”“街であったら声かけてな”等、おっしゃってもらえると自分のやってきたことは間違ってなかったと思えます。それが励みとなり、現在も看護師を続けていけてるのではないかと思います。

    ④高校生に向けたメッセージをお願いします。
    どんな職業であっても辛いことや嫌なこと、楽しいことなどあると思いますが、看護師という職業はとても誇らしい、自慢できる職業だと思います。命の大切さ、尊さを身近で感じられ、いろいろな人と接することで自分自身も成長していけると思います。コロナ災禍で大変な世の中ですが、それを経験した皆さんにしか分からないこと、伝えられないことがきっとあると思います。それを将来の看護師人生で活かしてほしいと思います。皆さんが将来素敵な看護師になれることを願っています。

  • T・Aさん 2013年卒/6期生 大学病院 倫理委員会事務局

    自己紹介をお願いします。
    社会人となってから6年たちますが、実はこれまで看護師として働いたことがありません。最初の1年目は東京の小さな会社でOLをしていたのですが、都会になじめずすぐに辞めてしまいました・・・。その後は仙台に戻って、治験コーディネーターをしたあと、病院の中で事務の仕事をしていて、今は採血すらできるか怪しいです。
    現在の進路を選択した理由を教えてください。
    卒業研究で研究室を選ぶとき、「新しい薬の開発」を研究テーマとして掲げる看護師の先生がいました。看護師でも、薬の開発なんてできるんだ!ととても興味をもち、その先生のところで細胞などを使って卒業研究をさせてもらいました。
    そこでの経験が「看護師をする以外の選択肢もある」と思うきっかけになりました。
    お仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等があれば教えてください。
    現在の主な業務は医師やコメディカルスタッフから届く書類の確認や問い合わせ対応です。普段は医師やコメディカルとして医療に従事し、そのわずかな合間を縫って書類の作成をしている方がほとんどですので、事務手続きのルールを一方的に押し付けるのではなく、どうすればスムーズに手続きを行ってもらえるのか工夫していくことを念頭に仕事をしています。日常ではまったく患者さんに関わらないので、ごくまれに病院内で患者さんから道案内を頼まれた時などにはちょっと嬉しくなり、できるかぎり丁寧に案内しています。
    ④高校生に向けたメッセージをお願いします。
    看護だから~と縛られることなく、何事にもチャレンジしていくことが大切だと思います。

  • S・Rさん 2014年卒/7期生(国家公務員/厚生労働省)

    自己紹介をお願いします。
    社会人となってから6年たちますが、実はこれまで看護師として働いたことがありません。最初の1年目は東京の小さな会社でOLをしていたのですが、都会になじめずすぐに辞めてしまいました・・・。その後は仙台に戻って、治験コーディネーターをしたあと、病院の中で事務の仕事をしていて、今は採血すらできるか怪しいです。

    ②今の進路を選択した理由は何ですか?

    高校の授業で臓器提供の問題について考える機会があり、「患者さんなどの弱い立場の人の権利を守れる“最後の砦”」として看護職に魅力を感じており、一般教養が充実していることも踏まえて、東北大学保健学科に進学しました。

    学部生時代に、

    ・実習を通じて「人々の健康や権利が守られるかどうかは、個人の努力だけではなく、少子高齢化などの社会の大きな流れや制度からも大いに影響を受けるのではないか」、「より一層個人が尊重されるために、医療や社会の制度がどうあるべきか考えたい」と感じていたこと、

    ・所属していた「学友会報道部」の活動の中で学内の研究者から取材させてもらう機会が多かったこともあり、一度本格的に研究をしてみたいと思っていたこと

    などから、学部卒業後は、文学研究科に進学し、数理・計量社会学を学びました。

    大学院在学中、看護学専攻の先生の紹介で出会った恩師(他大学の先生)から勧められたことをきっかけに、「国家公務員」に関心を持つようになり、「学部生時代に感じていた問題意識に正面から向き合うことができるかもしれない」と感じたため、修士課程前期修了後は、事務系総合職として厚生労働省に入省しました。

    法・経済学部卒者が多数を占める「事務系総合職」という職種を選んだのは、看護技官が通常配属されないポストの分野(社会保障、労働政策等)にも関心があったためです。

    ③今の仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等は何でしょうか?

    厚生労働省含む行政機関では、主に民間では十分に賄われないサービス等を提供するため、「法令」や「予算」といった道具を使いながら、地方自治体や出先機関等と協力してプロジェクトを進めています。

    行政機関には様々なルールが定められており、一つの制度を動かすために、膨大な準備(現状把握のための調査、有識者・現場からのヒアリング、予算の確保、国会への説明、制度の周知など)が必要です。公務員という仕事の性質上、仕事の量・ペース等を必ずしも全て自律的に決められるわけではないため、その点はハードですが、“一つのことを成し遂げるために、様々な立場の人と議論しながら協力して仕事を進める”プロセスそのものが、この仕事のやりがいだと思っています。大きな仕事が終わったときの達成感や、仕事の中で出会った方々との関係は、何にも代えがたいものがあります。

    周りから、「看護を学んだのに公務員?」と言われることもありますが、看護過程のプロセスなど、看護の中で学んだ考え方が今の仕事の中でも生かされていることもありますし、「人が生まれてから死ぬまで、生きがいをもって、健康で安心・安全に生きられること」を目指すという点では、看護職もこの仕事もミッションは同じだと思っています。また、何より、病院実習などで得た現場のイメージを持っていることは、行政官である私にとっても、大きな強みになっていると感じています。

    ④今の仕事のやりがいや魅力的な部分、大変なこと等は何でしょうか?

    東北大学は「研究第一主義」、「門戸開放」を掲げる総合大学であり、様々な興味関心を持つ学生、好奇心旺盛な研究者に刺激を受けながら、自分の興味関心をさらに掘り下げたり、視野を広げたりすることができる場所だと思います。

    私が学生時代想像すらしていなかった職業に就き、充実した毎日を送れているのも、東北大学のこうした環境やそこで得た人脈があってこそ。アンテナを高く張って学べば、卒業後どのような進路に進んだとしても、人生の大きな糧になると思います。

  • 関下慎一さん 2015年卒/8期生(社会人大学院生+看護師

    1. ①自己紹介をお願いします。

    東北大学病院で働いています。看護師の仕事としては、手術前後の観察・患者さんの病室⇔術室への移動など、退院までの介助やお手伝い、患者さんや患者さんのご家族に対する指導を行っています。また、注射の薬剤を作ったりもしています。そして、卒業後4年目からは大学院にも通い、長期履修制度(2年→4年)を使い、働きながら通っています。

    1. ②男性看護師を目指したきっかけは何ですか?

    高校2年生のとき、医療系に行きたいと漠然と考えており、担任の先生から進路相談を受けて、「関下さんの性格からみて看護師になった方がいい」と言われたのがきっかけです。医療系の仕事の中でも、特に人と接する機会が多いのも魅力だったため、1つの仕事としてやってみようと思いました。

    1. ③働きながら大学院に通った理由は何ですか?

    まず、4年生の研究室配属で、研究室にいらっしゃる大学院生と関わる機会も多かったため、大学院自体を身近に感じていました。また、働きながら看護師でも主体的にやっていかなければならない場面が増えるのかもしれないと感じており、管理職などの他の進路を考えた時にも大学院卒が多い印象もあり、将来のビジョンを踏まえて行くべきだと思い、目指しました。

    1. ④やりがいを感じるのはどういう時ですか?

    大きな手術をする患者さんが多く、その影響もあって患者さんに1番関わる密度が大きいのですが、看護師主体で様々なことを考え相談しながら行動できることにやりがいを感じます。また、患者さんが回復して元気に退院していく姿を見ると仕事をしていて良かったと感じます。

    1. ⑤高校生へのメッセージをお願いします。

    東北大学の看護に興味があるということは少しでも看護を極めたいとか、見つめたい、探求したいと思っている方が多いのだと思います。そういう方には科学的な視点で看護を捉えようとすることができること、病院にも近く、研究職や教員など、看護という職業だけでなく、様々な先のキャリアを考えることができるという点でおすすめです。

  • 加藤悠里亜さん 2015年卒/8期生(アメリカで看護師として病院に就職予定)

    Q1. お仕事の概要を教えてください。今の状況を教えてください。
    A1. インタビュー時点では、アメリカのニューヨーク州で就職する病院先を探している最中です。渡米前は、大学病院で助産師として働いていました。

    Q2. なぜ日本ではなくアメリカで看護師として働こうと考えたのですか。
    A2.私は、大学病院を辞めた後、語学習得のためにニューヨークに滞在していました。そして私は、もともと、海外に住んでみたいという思いを抱いていました。そのため、COVID-19などの社会情勢の影響を受けはしましたが、看護師としてアメリカで働くことを決意し、看護師資格をアメリカ(ニューヨーク州)で取得することにしました。多種多様な人種が共存するニューヨークでは、文化的および宗教的背景も考慮したコミュニケーションスキルが求められます。患者さん1人ひとりに対してそのような看護を提供できれは、より高度な、心身共にといった看護を実践できるのではないかと考え、それを学ぶ上でも、アメリカで看護師として働きたいと思いました。世界では、日本の看護師は仕事が丁寧、迅速、ホスピタリティがあると高く評価されているため、それが海外で働くことの強みになるとも考えました。

    Q3. アメリカで看護師として働くこれから、どんなことに挑戦しようと考えていますか。
    A3. 私は現在Registered nurse(正看護師)の資格を取得しているため、まずは正看護師として働こうと思っています。その後、アメリカでNurse Practitionerの資格を取りたいと考えています。いつかは日本に帰国し、アメリカと日本の看護師の違いを見出し、良い面を日本に広げていきたいな、とも思っています。また、チャンスがあれば、日本やアメリカだけでなく、他の国や地域とも比較したいので、アメリカ以外の国や地域でも看護師としての経験を積みたいです。

    Q4. 高校生へのメッセージをお願いします。
    A4. 人生は意外性に満ちています。思った通りに行くこともありますが、そうでないことも多々あります。その意外性の中で繋がった人々との絆は大切です。だから、今経験できることは何事にも挑戦して、様々なことを糧にしてほしいです。

  • 高橋由香さん 11期生 産業保健師

    Q:お仕事の概要について教えてください。
    A:産業保健師をしています。企業にある健康管理室というところで働いています。社員さんの怪我や体調不良などの救急対応や年に1回の健康診断の結果のフィードバック・面談を行ったりしています。また、社員さんのメンタル管理に関わったりもしています。

    Q:看護師資格を取った中で、どうして看護師以外の道を進んだのですか?
    A:高校生の時から最初から保健師を目指して大学に入学しました。高校生の時は、地域で健診を呼びかけたりする仕事をしたいと思っていましたが、大学3、4年の時の卒業研究を通して、成人の発達課題である肥満などの生活習慣病やストレスなどに興味を持ちました。健康に働くことは当たり前なようで意外と難しいのだと思い、産業保健師を目指すようになりました。

    Q:産業保健師としてのやりがいは何ですか?
    A:社員の方と協力して、どのようにしたら社員の皆さんが健康に働けるかということを考えることができるのが今一番楽しく、やりがいであると感じています。最近では現場の方と熱中症の対策などを行っています。

    Q:魅力的な部分は何ですか?
    A:同じ方々と長く深く継続的に関わり続けて退職まで見守ることができる点が魅力であると思います。入社してから退職するまで病気を抱えながら働き続ける社員さんもいらっしゃるので、そのような方々が退職する際に病気を悪化させずに地域に戻ることができるようサポートできることが魅力的だと感じています。

    Q:大変なことは何ですか?
    A:病院に来られる方は健康になりたいという自分の意思を持っている場合が多いと思います。しかし、社員さんは病気を治し健康になりたいと考えて会社に来ているわけではないので、そのような社員さんに対してどのように働きかけをしたら良いのかを考えることが大変です。社員さんに対して保健指導を行う際は、社員さんが既に意識できていることや強みなどを更なる健康に繋げていくという姿勢を大切にしています。

    Q:高校生へのメッセージをお願いします。
    A:東北大学では、実習や卒業研究を通して自分は看護師・保健師・助産師としてどのような分野に興味があってどのように人々の健康と関わりたいのかということをじっくり考えることができます。私は大学院に進学し、自分の興味のある分野をさらに深めることができました。自分のやりたい仕事を見つけ、その仕事ができるということはとても幸せなことだと思っています。ぜひ高校生の皆さんにも東北大学看護学専攻で自分のやりたいことを見つけて欲しいと思います。

  • G・Mさん 12期生(放射線商社の営業)

    Q:お仕事の概要を教えてください。
    A:病院や大学に対して放射線関連の商品の提案・営業を行なっています。具体的には、放射線被曝量が分かるガラスバッジや放射線防護用具の営業を行なっています。

    Q:看護師資格として働く道がある中で別の道を選んだ経緯を教えてください。
    A:元々サイバーナイフという放射線治療機器に興味があり放射線技師になりたかったのですが、自分の成績を考えて看護学専攻に進学しました。大学4年間、東北大学生協の新生活サポートセンターでアルバイトをしていました。その経験を通して、販売業務や売上を伸ばすことに楽しさを見いだし、興味のあった放射線関連の仕事に携わりたいと考え、現在の進路を選びました。

    Q:現在のお仕事のやりがいは何ですか?
    A:目に見えない放射線を取り扱う方々をサポートできることがやりがいです。訪問時や電話などで放射線管理についてご相談をいただけるととても嬉しいです。

    Q:魅力的な点
    A:ガラスバッジをつけていただいたり防護用具を身につけていただいたりして、提案したものが多くの方々の安心材料となっていることが魅力的だと思います。放射線技師の方だけでなく手術看護師など様々な方を対象として、放射線防護の重要性を広めていくことができるという点も魅力的であると感じています。

    Q:大変なこと
    A:放射線の基礎知識や他部署の商品知識はまだまだ足りないので、お問合せをいただく度に勉強しています。また、年度末は契約の更新時期なので、見積の作成や契約書の取り交わしなど、事務作業が大幅に増えます。お客様の忙しい時期なので、ミスが無いように心がけています。

    Q:高校生へのメッセージ
    A:東北大学看護学専攻では、看護に関する勉強ができるだけでなく課外活動の場が充実しています。そのような機会を十分に活用し、様々なことにアンテナを張って欲しいと思います。また、看護実習で培える能力はたくさんあります。特に多様性を受容する、関係性を築く経験は、職種に関係なく重要と感じています。

  • 佐藤美沙さん 2020年卒/13期生(一般企業営業)

    Q:公開可能な範囲での自己紹介をお願い致します。
    A:私は2020年に東北大学を卒業しました。もともと何かを自分で成し遂げるということに興味があったので、イベントの企画運営に携わったり、経済学やマーケティングの勉強のために、1年間休学してマレーシアへ留学したりしました。語学力を試したいというのもありましたが、しっかりと大学での学習時間とは別に時間を取って、興味のある事柄について学びたかったのが理由です。いつか自分のやりたいことが出てきた時に、それを後押ししてくれるキャリアにつきたいと考えました。

    Q:なぜその進路を選択したのでしょうか?
    A:医療業界には携わりたいと思っていたので東北大学の看護学専攻に進んだのですが、看護師というキャリアに進むことに疑問を抱いていました。そんな中、大学生のうちに留学をし、インターンシップに行ったことで視野が広がり、事業の拡大フェーズにおいて、挑戦できる環境がある企業と出会い、そこで働きたいと考えたからです。

    Q:やりがいは何ですか?
    A:任せてもらえることが多いという点です。自社プロダクトを持つメーカーなので、提案しつつ自社開の一部に携われるというように、自分の変えられる領域が大きいということもやりがいです。これは環境によって大きく左右されるため、今の企業を選択してよかったと思っています。

    Q:魅力的な点は何ですか?
    A:先程と被りますが、自分が影響を与えられる領域が大きいという部分が魅力的です。今の会社では、新人からプロジェクトを任せてもらえるため、早いうちから自分で挑戦し、成功/失敗する経験を得られる点が魅力的です。

    Q:大変なことは何ですか?
    A:営業という役職なので、数字は常日頃ついてまわります。そこが大変なところでもあり、達成感をより大きく感じさせてくれる部分だと思います。ただ、同じ売上を作る中でも、単純にプロダクトを売るだけではなく、どうしたらその企業のためになるのか、業界を変える一手となるのかを考えるのは、非常に面白い部分です。

    Q:高校生へのメッセージをお願いします。
    A:看護職を目指すことは素晴らしいことだと思います。しかし、そこに縛られずに、自分に何ができるのか、何をやってみたいのかを想像し、進路を広げて考えてみてほしいです。

    看護師資格を持っていても、カフェを経営している人も、私のように企業で働いている人もたくさんいます!自分の興味の赴くままに、いろいろチャレンジしてみてください。

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