医学部オープン
キャンパス

オープンキャンパス2021 医学科ツアー

例年は、少人数グループで研究室などを見学しますが、各分野の先生方に紹介文や動画などを作っていただきました。

  • 医療管理学分野

    医療管理学分野は、1952年、全国に先駆けて開講された病院管理学講座を前身としており、医療の社会面、医療の経済的側面、医療の政策面について先駆的な研究を行っています。
    日本の医療はたいへんすばらしく、低コストで質の高い医療を提供しています。しかし、それは医療者のオーバーワークの上に成り立っているところがあるので、世界最高水準の医療を維持しつつ、問題点を改善した医療の制度を目指し、制度の再構築が必要と考えられます。現在、日本の各地域における医療提供体制と患者のニーズや受療動向を見極めて、日本の持てる限られたリソースを最適に配分し、国民が納得できるような医療の提供体制を作るにはどうすればよいのかを研究しています。今後は、医療のビッグデータ解析を通して、東北を始め、日本全国の医療提供体制と患者受療動向を明らかにし、限られた医療資源を有効活用して最大の効用を得るために、医療政策・医療計画に貢献していきたいと考えています。
    医療管理学分野に関する情報を詳しく調べたい場合は、https://www.med.tohoku.ac.jp/about/laboratory/085.htmlへ、アクセスしてください。

    動画へのリンク

  • 分子腫瘍学研究分野

    ヒトの細胞には46本の染色体が存在しますが、がん細胞のほとんどで染色体の数や構造の異常が見られます。さらにその異常は、同じ腫瘍の中のがん細胞でも、個々に違いが見られることがわかっています。これは、がん細胞が分裂する時に、染色体が2つの細胞に正確に受け継がれないことが多いためで、このような性質を染色体不安定性といいます。私たちは、がん細胞でどのようなしくみで染色体不安定性が起こり、また染色体不安定性がどのようにがんの発生や悪性化に関係しているのかについて研究しています。特に、染色体などを蛍光色素によって顕微鏡で観察できるようにすることで、染色体が2つの細胞に受け継がれていく様子をリアルタイムで調べています。染色体は、紡錘体というラグビーボールのような形をした構造の中央に並んだ後に、2つの細胞に分かれていきます。最近私たちは、紡錘体の中央に並んだ染色体の規則的な動きが、染色体が正確に2つに分かれるのに重要であることを発見しました。一方がん細胞では、この染色体の動きが弱くなっていて、これが染色体不安定性の原因の一つではないかと考えています。このようながん細胞の性質を明らかにすることで、正常細胞への影響が少ないがんの治療法を開発することを目指しています。

  • 微生物学分野

    微生物学分野では以下のような研究を行っています。
    1.感染症のコントロールに役立つ研究
    単に学術的に興味から研究をするのではなく、基本方針として感染症対策の現場で役に立つ研究を目指しています。
    2.フィールドでの研究
    感染症対策の現場で役に立つ研究をするためには実験室に閉じこもっているだけでは不十分です。このため国内外のフィールドに積極的に出かけていって研究を行っています。
    3.広い視点からの研究を目指す
    ウイルス学や細菌学などの研究者の多くは狭い領域の研究のみを研究している場合が多いですが、我々は狭い専門領域にこだわることなく広い視点からの研究を行っています。
    4.グローバルな視点からの研究
    フィリピン、モンゴル、インドネシア、カンボジアなどアジア、ザンンビアなどのアフリカ、ペルーなど南米の海外のフィールドでの研究を中心に行っていますし、WHO (世界保健機関) などの国際機関の活動に も参加しています。ただフィールドを海外に限定しているわけではなく国内でも多くの研究を行っています。国境を意識することなく感染症の問題があるところでフィールド研究をすることを基本方針としています。

    動画へのリンク 留学生インタビュー

  • 呼吸器内科学分野

    呼吸器内科では、せきや息切れといった症状に悩む患者さんを診療しながら、呼吸器の病気の原因や成り立ち、その治療法を研究しています。肺は空気中の酸素を体内に取り込む働きをする重要な役割を担います。そのため常に様々な異物(アレルギー物質や微生物、大気汚染物質など)を含む大気と接触しています。みなさんの肺は、通常それらを上手に排除しながら呼吸していますが、吸い込む異物と防御のバランスが崩れてしまうと、気管支喘息や肺炎、肺癌などを発症してしまいます。すなわち、大気中の無数の異物と、時にはそれに対する体の過度の防御反応が、呼吸器の病気の原因になります。また、全身の血液は必ず肺を通って全身に運ばれるため、全身の病気の影響を最も受けやすい臓器でもあります。免疫の異常、他の臓器の異常、治療で使用している薬などが原因となり、肺は様々な病気を発症することがあります。私たちはそれらの原因を一つ一つ突き止め、すべての呼吸器の病気を治すことを目指しています。
    2つの動画では当医局の紹介と、呼吸器内科で診る代表的疾患である「気管支喘息」と「肺癌」に関して、私たちが取り組んでいる最先端の研究成果を交えながら紹介します。

    ツアー動画 医局紹介動画

  • 免疫学分野

    免疫系は、リンパ球を中心とした免疫細胞のネットワークにより自己・非自己を識別し、病原体などの非自己を排除し、その情報を記憶する極めて高度な生命システムです。当研究室ではこれまでに、T細胞の発生・分化・増殖に必須なサイトカイン受容体(γc鎖)やT細胞補助刺激分子(gp34/OX40 リガンド)を世界に先駆けて単離し、免疫細胞の成り立ちや免疫記憶の仕組みを分子レベルで解明してきました。これらの仕組みの異常はアレルギー、自己免疫疾患や慢性炎症性疾患あるいはエイズ等の免疫不全症などのさまざまな病気を引き起こします。免疫の仕組みの異常で起こるこれらの病気はいずれも難治性ですが、最近でも、新型コロナウイルス感染症の重症化が免疫応答の暴走で起こることが明らかにされました。このように、免疫異常を正常化する方法の解明は現代科学に課せられた重要な研究課題です。私達は免疫制御の仕組みを解明することでアレルギーや自己免疫疾患などの免疫難病の原因を解明し、その治療法を開発することを目指しています。

  • 救急科

    東北大学病院高度救命救急センターは、平成18年に開設された当時から、宮城県の救命救急の中心として活動を続けている施設です。経験豊富な医療チームがハイブリッドERなどの最新技術を駆使して、最前線で救急救命にあたっています。 この動画では高度救命救急センターの雰囲気を味わうことができますので、是非ご覧ください。

    高度救命救急センター動画

  • 総合外科

    2018年に、旧第一外科の肝・胆・膵外科、胃腸外科と、旧第二外科の移植・再建・内視鏡外科、乳腺・内分泌外科が統合して、「総合外科」になりました。
    4つの専門グループが連携して医療安全に努め、新たな体制で、世界をリードする外科診療科となることを目指しています。

    【肝胆膵・移植グループ】
    肝臓・胆道(胆管、胆嚢)・膵臓疾患の外科治療および移植医療を中心として診療しています。
    【上部消化管・血管グループ】
    食道・胃疾患に対する上部消化管外科と腹部・末梢血管疾患に対する血管外科を専門領域として診療を行っています。各領域において先進的医療を低侵襲で行い、豊富な経験から各分野で日本をリードする実績を誇っています。
    【下部消化管グループ】
    大腸癌に対する機能温存手術、ロボット手術に積極的に取り組んでいます。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に力をいれています。先進的な減量/代謝改善手術に取り組んでいます。
    【乳腺・内分泌グループ】
    乳腺・内分泌外科は、乳腺疾患と内分泌(甲状腺、副甲状腺(上皮小体))疾患を対象とした診療科で、主にがんに関する診療および研究・教育に取り組んでいます。

  • 細胞治療分野

    私達は五感(視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚)によって世界を認識しています。その中でも特に視覚は外部情報の8割を占めるため、視覚の障害は生活の質(QOL)を著しく低下させます。失明原因の大部分は網膜の病気によるものですが、網膜の病気は原因不明であるものが多く、有効な治療法がほとんど確立されていません。私達の研究室ではこのような網膜の病気を治療するために、薬剤を網膜へ持続的に届けるドラッグデリバリーシステムに関する研究を行っています。その1 つとして強膜(白目)に装着する薬剤徐放デバイスを開発中です。薬剤を眼の中に直接投与する従来の方法に比べて、我々の方法は目の中には手を付けず眼球外にデバイスを留置するため安全性が高く、強膜から網膜へ薬物を持続的に浸透させることで長期にわたる薬物治療が可能となります。ラットやウサギの網膜変性動物モデルやサルを用いてデバイスの有効性と安全性を評価し、現在は網膜色素変性症患者さんに対する治験を実施中です。このようなドラッグデリバリーシステムが実用化できれば、毎日の点眼や眼内注射などの患者さんの負担を減らし、安全に網膜の病気を治療できる可能性があります。更に、デバイスは様々な薬剤を搭載できるため、眼以外の病気の治療に対しても応用できる可能性があります。私達は、研究成果が臨床現場にいち早く導入され、患者さんの有効な治療方法へと結びつくことを目標にしています。

  • 消化器内科

    消化器内科(消化器病態学分野)は主に食べ物の消化・吸収に関わる腹部の臓器(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓など)を対象として、診断および治療を行う診療科です。がんで亡くなる患者さんは増えていますが、その多くを腹部の臓器が占めており、消化器内科ではそれらのがんを中心に内視鏡、超音波、CTや造影検査などの様々な検査方法を使ってできるだけ早期に診断し、他科と連携しながら治療を行っています。がん以外にも炎症を伴うような様々な良性の病気がありますが、それらを治療することでがんの予防や予後の延長、生活の質の改善などが得られます。研究ではこれらの病気を持つ患者さんのデータを集積して、正確な診断・適切な治療を皆が行えることなどを目指した臨床研究に加え、病気の成り立ちを理解し新しい診断法や治療法を開発することを目的として、培養細胞や実験動物を用いた基礎研究を大学院生を中心に行なっています。最近の大学院での主な研究成果として、肝硬変や肝がんの原因になる脂肪肝の成り立ちにおけるアミノ酸の新しい役割を証明しました。また、炎症性腸疾患の治療効果や副作用と遺伝子の関連についての研究や、様々な消化器領域の癌の発生機序などについてその成果は多くの論文に報告しています。

  • 応用脳科学分野

    2001年に川島研究室が発足して以来、医学・薬学・理学・工学・心理学・教育学・経済学・法学・芸術学等の幅広い学問領域からの人材を受け入れてきました。
    現在、応用脳科学研究分野・認知機能発達寄附研究部門・ユビキタスセンサー研究分野の3つのグループが共同して、以下のような研究活動を展開しています。
    ①脳の活動をmm単位で捉えられるfMRI(機能的MRI)という手法を用いて、ヒトの脳高次機能の神経メカニズムを明らかにする認知脳科学研究
    ②MRI装置や認知機能テスト等を用いて、子どもの脳や心の発達の仕組みとそれらに対する生活習慣(ゲーム、スマホ等)の影響を調べる認知機能発達研究
    ③企業と共同開発した超小型センサーによって生活場面での脳活動や眼球運動等を計測し、対人コミュニケーション時の生体情報のデータ化と産業界への応用を目指す社会技術研究
    ④動物専用MRI装置や生化学分析装置等を用いて、ランニングマシン・栄養条件・迷路遊びの経験等がネズミの脳構造や行動パターンに与える影響を解明する脳可塑性*研究。
    *かそせい:外界の刺激に応じて変化してゆく性質
    ⑤基礎的な研究成果に基づいて、高齢者の健康寿命を延ばす工夫を提案するスマートエイジング研究

    応用脳科学分野動画

  • 血液免疫学分野

    「血液」グループは血液疾患に関する診療、研究を行っているグループです。全身を流れる血液は白血球、赤血球、血小板、血液凝固因子などで作られています。血液疾患はこれらの異常によって生じる病気で、主なものには白血病、悪性リンパ腫などがあります。研究面では赤血球が造られる仕組みとその異常によって生じる病気の解明、悪性リンパ腫に関する臨床研究を中心として精力的に行っています。特に最近は、鉄芽球性貧血という病気に関して新たな知見をたくさん報告しています。
    「免疫」グループではリウマチ膠原病に関する診療、研究を行っています。ヒトの体にはウイルスや菌を排除するために免疫という機能が備わっていますが、この異常により生じる病気がリウマチ膠原病です。関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどは比較的知られているかもしれません。研究テーマには、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、血管炎に関するものがあり、これらの病態解明につながる多くの報告を行ってきました。
    我々が研究対象としている病気はまだまだ治療に難渋する例も多いですが、近年、最新の治療などにより大きく飛躍を遂げている分野です。今回、直接我々の診療、研究に触れて頂く機会がないのは大変残念ですが、皆様に興味を持って頂けたらと思います。

  • 麻酔科

    オープンキャンパスに参加してくれたみなさんに,東北大学麻酔科の紹介をします.みなさんは麻酔科医という医師を知っていますか?麻酔科医は手術を受ける患者に麻酔を提供して,苦痛を取り除くだけではなく,手術という傷害から患者の体を守ることを使命としています.麻酔科医はさまざまなプロの技を使ってこの麻酔医療を実践しています.東北大学病院では年間1万例の手術が行われており,麻酔科医は獅子奮迅の働きをしています.さらに麻酔科医は集中治療(COVID-19診療の要です!),慢性疼痛診療(ペインクリニックっていいます),無痛分娩などにも取り組んでいます.またこれらの麻酔診療の基盤となるのが,みなさんが東北大学医学部で学ぶことになる麻酔科学・周術期医学です.この学問は生理学・薬理学・免疫学を基盤とした全身管理医学です.在学中の学部生にはスタッフ一同で魅力的な講義と実習を提供します.また卒業後の大学院では麻酔医療における,臨床での疑問を研究テーマとして選び,臨床研究や基礎研究を行ってもらいます.臨床の現場にいる麻酔科医であるからこそ,基礎医学者では着想し難い,日々の麻酔診療に役立つエキサイティングな研究が可能となります.そしてこの得難い研究経験は,麻酔科医として社会に貢献する上で、あなたの視野を大きく広げることでしょう.私たちのミッションは「最高水準の麻酔診療をすべての症例に提供する」です.ぜひ東北大学麻酔科の紹介動画をご覧ください!

    麻酔科動画

  • 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)

    東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、未来型医療を築いて東日本大震災被災地の復興に取り組むために、2012年2月1日に東北大学内に設置された組織です。2011年3月11日に発生した東日本大震災から立ち直り、創造的な復興を成し遂げ、未来型医療の実現のための体制の整備、情報の発信等を実施し事業を推進しています。
    具体的には、2013年度から開始し15万人以上が参加するコホート調査(大規模な長期健康調査)とその結果の活用を通じて被災地を中心とした地域の健康向上に取り組み、大規模なゲノム・オミックス解析、コホート調査で得た貴重な生体試料(血漿や尿など)を管理するバイオバンクの構築など、次世代医療の基盤構築のための研究を行っています。そして、目標とする次世代医療の形である個別化ヘルスケアを先導するモデルとして、疾患発症リスク予測手法の開発などにも努めています。これらを実現するため、大規模なバイオバンクやスーパーコンピュータなど世界最先端の設備を導入して運用すると共に、多様な専門人材の養成に東北大学内で連携して取り組んでいます。

    ToMMo事業概要紹介
    バイオバンク紹介
    スーパーコンピュータ紹介

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