東北大学大学院医学系研究科・医学部

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研究者人生は
新たな分野への挑戦の連続
現在はイタリア・ミラノの地で
医学への貢献を目指す

インタビュー
医科学専攻
運動学分野 卒業生
布宮 亜樹
Aki Nunomiya
卒業年度:2016年度
卒業学位:医学博士
現在の職場・会社名:
IFOM, the FIRC Institute of Molecular Oncology
現在の役職:Postdoctoral Fellow
2020.06.17

布宮 亜樹

文学から医科学へ、大きな挑戦となった他研究科への進学

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

学部時代は実験心理学を専攻していました。卒業研究を通してヒトの身体について学ぶことの楽しさに触れ大学院進学を考えた時に、当時研究指導をしていただいていた教授に医学系研究科への進学を勧めていただきました。他研究科への進学は大きな挑戦でしたが、研究室訪問をした際に、後に進学することになる運動学分野の永富良一教授の研究についてのお話の面白さに惹かれ、その日のうちに受験を決めました。

充実した研究環境のもとで、分野を超えた交流

●進学してみて、どうでしたか?

環境が素晴らしい、のひと言に尽きます。読みたい論文はほとんど無料でダウンロードでき、研究室内にない実験設備も共同実験室や共通機器室に最新の機器が揃っています。また、他分野の先生方にも実験を教えていただいたり、機械を使わせていただいたり、研究についてアドバイスをいただいたりと幾度となく助けていただきました。研究科内で分野を超えた交流が盛んなことも感銘を受けたことの一つでした。

骨格筋研究の面白さに触れ、分子生物学的なアプローチに挑戦

●研究テーマとそれを選んだ理由を教えてください

大学院では身体が低酸素環境に暴露された際に起こる低酸素応答と身体トレーニングの関係や、骨格筋の損傷と再生などについてマウスや細胞を用いた研究を行いました。元々ヒトを対象とした研究を行いたいと考えていましたが、進学後に骨格筋研究の面白さに触れ、思い切って分子生物学的なアプローチに挑戦してみようと思いました。

修了後も心の支えとなる大切な仲間との出会い

●研究室の雰囲気はどうでしたか?

私が在籍した運動学分野はとにかく「自由」です。何かを強制されることはまずありません。ですが、自分から動かなければ何も起こらない側面もあります。逆に自ら動けば永富教授はもちろん周りの方々が必ず力を貸してくれます。研究室での365日を共に過ごしたメンバーとはそれぞれ研究室を離れた今でも頻繁に連絡を取り合う大切な存在になっています。

分野の垣根を超えた指導と、国際色豊かなキャンパス

●東北大学の良いところは?

学部・学科の垣根を超えて、さまざまな分野の先生方にご指導いただけることです。助けを求めれば、分野に関係なく多くの先生方が手を差し伸べてくださいます。また、外国人留学生も多くさまざまな国の学生と交流することができるのも大きな特徴だと思います。

「No pain, no gain」の精神で、イタリア・ミラノの地で研究と格闘する日々

●現在のお仕事について教えてください。また、大学院時代のご経験はどのように活かされていますか?

現在はミラノにあるIFOMというがん研究所で研究を行なっています。新たな分野への挑戦となり、幾多の壁と格闘する毎日ですが大学院時代に学んだ「No pain, no gain」の精神で食らいついています。

●今後の目標や抱負を教えてください

今はとにかく視野を広げたいと考えています。いずれは、幅広い視点から物事を捉えることで、医学研究に少しでも貢献できたらと思います。また、ミラノに来て半年が経ちましたが、研究面だけでなく生活そのものにおいて学ぶこともたくさんあります。さまざまな文化、考え方に触れることのできる絶好の機会を活かしたいです。

mylife

仙台にはカフェや喫茶店がたくさんありますが、深夜まで営業している星港夜という純喫茶がお気に入りでした。平日の夜、帰りが遅くなった時でも立ち寄れる場所があるのはとてもありがたく、友達とたわいもない話をして翌日のエネルギーにしていました。

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PROFILE
医科学専攻
運動学分野 卒業生
布宮 亜樹
Aki Nunomiya

栃木県下野市出身。東北大学文学部心理学分野を卒業後、医学系研究科障害科学専攻博士前期課程に進学。2013年に医科学専攻博士後期課程に進学し、2017年に修了後同分野で二年間の特任助教を経てイタリア・ミラノに留学中。義務であるイタリア語検定合格のために日々イタリア語も勉強中。