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鉄不足による貧血病態のメカニズムの一端を解明 – 鉄不足は広範な遺伝子発現の変動を引き起こす –

 東北大学大学院医学系研究科生物化学分野の小林 匡洋(こばやし まさひろ)研究員、加藤 浩貴(かとう ひろき)研究員、張替 秀郎(はりがえ ひでお)教授、五十嵐 和彦(いがらし かずひこ)教授らのグループは、九州大学生体防御医学研究所の佐々木 裕之(ささき ひろゆき)教授らとの共同研究により、鉄欠乏性貧血の病態の一端を解明しました。これまで、鉄欠乏性貧血は赤血球が酸素を運ぶためのタンパク質ヘモグロビンに必要な鉄の不足により起こるものとされてきました。しかし本研究では、鉄欠乏性貧血は単なる材料(鉄)の不足により起こるだけではなく、赤血球の元となる細胞(赤芽球)から赤血球ができる成熟過程で、鉄欠乏が広範な遺伝子発現変動をもたらすこと、ヘモグロビン合成時のヘムとグロビンのバランスを鉄欠乏に応答して調整する転写因子があることを発見しました。本研究によって、世界で最も頻度の高い疾患の一つである鉄欠乏性貧血の病態の理解がさらに進み、特に鉄剤による治療に応答しない鉄欠乏性貧血の新たな治療法の開発につながることが期待されます。
 本研究の成果は2017年2月28日午後3時(米国太平洋標準時、日本時間3月1日午前8時)にヨーロッパ血液学会機関誌、Haematologicaに掲載されました。

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