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ステロイド治療に反応を示す一次性ネフローゼ症候群の 病因遺伝子群を同定 – 従来のステロイド治療に代わる新規治療開発に期待 –

 東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野の工藤宏紀医師、菊池敦生助教、呉繁夫教授らの研究グループは、ボストン小児病院のFriedhelm Hildebrandt教授らの研究グループと共同で、ステロイド治療に部分的に反応を示す一次性ネフローゼ症候群17家系から、新規原因遺伝子群(6遺伝子)を同定しました。ステロイド治療に反応性を示すネフローゼ症候群(ステロイド感受性ネフローゼ症候群の病因遺伝子同定はこれまで非常に困難でしたが、今回、東北大学病院で診療中の兄弟症例のゲノム解析と海外の血族結婚家系の解析を組み合わせる事で、病因遺伝子群の同定が可能になりました。
 同定した6つの新規病因遺伝子は、いずれもステロイドが関与する同一のシグナル伝達経路の因子で、なぜステロイドがネフローゼ症候群に効くのかを理解する上で重要な知見を与えるものです。さらに、このシグナル伝達経路は一部のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群注3の原因遺伝子を含み、病態の一部を共有していることが明らかになりました。今回の研究成果は、ネフローゼ症候群の病態解明やステロイドよりも疾患特異的な治療法の開発に貢献すると期待されます。

 本研究成果は英国科学雑誌「Nature Communications」のオンライン版に2018年5月17日(現地時間)に掲載されました。

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