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妊婦に対する抗てんかん薬処方についての啓発と改善を – リスクを考慮した薬剤・用量選択が必要 –

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構の小原拓准教授と同病院薬剤部の眞野成康教授らのグループは、東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野(中里信和教授)、同産科学婦人科学分野(八重樫伸生教授)、同分子疫学分野(栗山進一教授)、明治薬科大学公衆衛生・疫学研究室(赤沢学教授)、京都大学大学院医学研究科健康情報学分野(池田靖子医師)らとの共同研究により、日本における妊娠前、妊娠中および出産後の抗てんかん薬処方状況を報告しました。

 株式会社JMDCが保有する大規模レセプトデータベースを用いて2005年~2016年の処方状況を評価した結果、①抗てんかん薬の処方割合は妊娠初期および中期に減少すること、②バルプロ酸の処方が最も多いこと、③妊娠初期においても600 mg/日以上のバルプロ酸の処方が認められることを明らかにしました。

 てんかん診療ガイドライン2018では、妊娠前からリスクの少ない薬剤を選択し、発作抑制のための適切な用量調整を行うことが推奨されています。特に、他剤より先天異常発現率が高いと考えられる高用量のバルプロ酸の投与はなるべく避け、投与が必要な場合、服用量は600 mg/日以下を目指すことが述べられています。本研究から明らかになった状況は必ずしもガイドラインと整合しておらず、妊娠の可能性がある女性に抗てんかん薬を使用する際、薬剤・用量選択等に関して医療関係者に対するより一層の啓発が必要です。 

 本研究成果は、2019年3月10日にPharmacoepidemiology and Drug Safety誌電子版に掲載されました。

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