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全胞状奇胎の原因を探る細胞モデルを作製 -母体を絨毛がんから守るために-

 東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野の高橋聡太大学院生、岡江寛明准教授、有馬隆博教授のグループは、ヒト全胞状奇胎由来胎盤幹細胞(TSmole細胞)株の作製に世界で初めて成功しました。

 全胞状奇胎は、受精卵から卵子由来の核が消失し、精子由来の核のみが増えていく異常妊娠の一つです。
全胞状奇胎の増殖が進行すると絨毛がんなどの悪性腫瘍が高い頻度で発生します。これまで、全胞状奇胎の良い実験モデルが存在しなかったことから、全胞状奇胎がどのような遺伝子の働きによって増殖するのか十分には明らかになっていませんでした。本研究では、ヒトの全胞状奇胎に由来するTSmole細胞株を世界で初めて作製することに成功しました。
通常の細胞では細胞密度が高くなると増殖が止まりますが、TSmole細胞株では細胞密度が高くても増殖が止まり難くなっており、このことが絨毛がんの発生を引き起こしている可能性が示唆されます。
TSmole細胞株は、全胞状奇胎の診断や病態の解明、さらには治療法の開発に役立つと期待されます。
また、全胞状奇胎から絨毛がんが発生する仕組みを研究する上で有用であると期待されます。

 本成果は、2019年12月2日(月)午後3時(米国東部時間、日本時間12月3日(火)午前5時)Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)に掲載されます。

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