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脂肪細胞が「できる・できない」を決めるエピゲノムを解明~タンパク質複合体の「いつ・どこに・どのように」が鍵~

脂肪組織の中にある白色脂肪細胞は栄養分を脂肪として蓄え、空腹時にはこれを分解して栄養分を血液中に供給することで飢えから体を守るはたらきがあります。しかし栄養の過剰により摂取と消費のエネルギーバランスが崩れると肥満を発症します。脂肪組織の中には脂肪細胞になる以前の前駆脂肪細胞が存在します。栄養分を過剰に取ると、脂肪細胞は大きくなり、また前駆脂肪細胞から脂肪細胞ができます。遺伝子の発現は、ゲノム上の遠く離れた場所にあるエンハンサーと呼ばれる遺伝子制御部位によって調節されます。脂肪を蓄える遺伝子のエンハンサーは、前駆脂肪細胞では準備状態、脂肪細胞では活性化状態になっています。しかし、準備状態に止める仕組み、活性化状態に変化する仕組みは明らかではありませんでした。

  東北大学大学院医学系研究科 / 東京大学先端科学技術研究センターの酒井寿郎教授、東京大学先端科学技術研究センターの松村欣宏准教授、東北大学大学院医学系研究科の伊藤亮助教、東京大学大学院医学系研究科の矢島あゆむ大学院生(研究当時)らの研究グループは、前駆脂肪細胞のエピゲノム・プロテオミクス解析を行い、新規のタンパク質複合体が「いつ・どこに・どのように」存在するかが、脂肪を蓄える遺伝子のエンハンサーの状態を決めることを解明しました。細胞分裂後期に、エンハンサー上で、タンパク質複合体の中の特定のタンパク質が分解されると、エンハンサーが準備状態から活性化状態に変わり、前駆脂肪細胞から脂肪細胞ができることがわかりました。

本研究成果は生活習慣病の予防や新規治療法につながることが期待されます。

本研究成果は2021年12月2日に国際科学誌『Nature Communications』オンライン版に掲載されました。

【お問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科 分子代謝生理学分野
教授 酒井 寿郎
Tel:022-717-8117
E-mail:jmsakai*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●取材に関すること
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
電話番号:022-717-8032
FAX番号:022-717-8187
Eメール: press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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