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ヒト受精卵から胎盤が発生する仕組みを解明ー生殖補助医療や再生医療への貢献に期待ー

ほ乳類の受精卵が最初に迎える運命決定により、将来胎児となる細胞と胎盤となる細胞に分かれます。しかし、ヒトをはじめとする霊長類では、この胎盤への運命決定機構についての詳細は明らかではありませんでした。
東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野の小林記緒助教、岡江寛明准教授、有馬隆博教授らのグループは、九州大学生体防御医学研究所、東京医科歯科大学と共同で、ヒト胎盤の発生や分化に必須な遺伝子を同定し、その制御機構を明らかにしました。
本研究では、ヒトES細胞(ナイーブ型とプライム型)からTS細胞への分化転換細胞を作製し、その細胞特性と遺伝子発現の変化について詳細に解析しました。その結果、TS細胞への分化転換には、霊長類だけが持つC19MC遺伝子が機能することが必須であることを明らかにしました。また、ゲノム編集技術を用いて、C19MC遺伝子がエピジェネティックな分子機構により発現調節を受けていることを明らかにしました。C19MC遺伝子は、ゲノムインプリンティングを受ける遺伝子(小分子RNA)であり、胎児と胎盤組織におけるインプリンティング制御の違いが細胞の運命決定に関与する可能性が示唆されました。本研究の成果は、ヒト受精卵や胎盤の発生メカニズムの理解に繋がるだけでなく、生殖補助医療や再生医療への応用等、多くの分野への発展が期待できます。

本成果は、日本時間2022年6月2日(木)午後6時(米国東部時間、6月2日(木)午前5時)Nature Communicationsに掲載されました。

【お問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野
教授 有馬 隆博(ありま たかひろ)
電話番号: 022-717-7844
Eメール: tarima*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●取材に関すること
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
電話番号: 022-717-8032
FAX番号:  022-717-8931
Eメール:  press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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