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【研究成果】出生前ステロイド投与の最適化により早産児の肺成熟を促進、母子ともに副作用を抑える可能性-国際共同研究の成果

西オーストラリア州を拠点とした、西オーストラリア大学、東北大学大学院医学系研究科、シンガポール国立大学、シンシナティ小児病院による出生前ステロイド最適化共同研究により、早産児の肺成熟を促し母子ともに副作用を最小限に抑える重要な研究データが蓄積されてきました。本共同研究チームには、東北大学大学院医学系研究科の産科学・胎児病態学分野/周産期医学分野 齋藤昌利教授らが参加しています。
この一連のデータは、WHOが示す早産時のゴールドスタンダードである出生前ステロイド投与に関して新たな投与法を提示する可能性があります。 医学雑誌『The American Journal of Obstetrics & Gynecology』に発表された当該論文では、ヒツジを用いた早産/ステロイド研究の結果、現在のステロイド投与量のわずか1/3の量で児の肺機能改善に高い効果があり、児への副作用も現在の投与方法に比べて大幅に少ないことが発表されました。
西オーストラリア大学/シンガポール国立大学産科婦人科学分野のMatt Kemp教授は、今回の研究結果は産科分野において大きなブレークスルーになるとして、以下のように述べています。
「私たちの研究は、WHOのアクションIII試験で提案された低用量出生前ステロイドレジメンが、既存のレジメンと同等の早産肺成熟を達成し、かつ有害事象のリスクを低減できるかどうかを検証することを目的としています。更なる臨床治験のデータが必要ですが、本研究の結果は、低用量のベタメタゾン治療法が現行の高用量のリン酸デキサメタゾン治療法よりも優れた効果を示す可能性があることを強く示唆しています。また、この研究はこれまでの国際的研究協力によって生み出された大きな成果です。」と述べています。

本研究の詳細は『The American Journal of Obstetrics & Gynecology』でオンライン閲覧可能です。

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科 産科学・胎児病態学分野/周産期医学分野
教授 齋藤 昌利(さいとう まさとし)
Eメール:masatoshi.saito.b4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●取材に関すること
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
東北大学病院広報室
TEL:022-717-8032
Eメール:press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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