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統合失調症の病態に男女差はあるか? 脳内トランスクリプトーム解析に基づく疾患病態の性差の解明

統合失調症の臨床症状に男女差があることが指摘されていますが、男女差が生じるメカニズムについては未だ不明な点が多く残っています。東北大学大学院医学系研究科の兪志前講師、富田博秋教授らのグループは、健常者および統合失調症患者の背外側前頭前野トランスクリプトームの大規模データを解析しました。その結果、統合失調症を罹患した女性では、男性より多くの遺伝子発現が変動していることを見出しました。これらの変動した遺伝子群が機能別のカテゴリーに属する頻度を解析したところ、γ-アミノ酪酸(GABA) 抑制性ニューロンの神経伝達、および、脳内細胞のエネルギー産生等に関わるミトコンドリア機能に関する遺伝子群の発現が有意に高いことが確認されました。さらに、母体免疫負荷による統合失調症のモデル動物を用い、ヒトとマウスに共通で変動していたミトコンドリア機能に関わるACSBG1の有意なDNA高メチル化、および発現レベルの減少を確認しました。本研究結果は統合失調症の女性患者における病態の生物学的基盤を説明する可能性があり、性差に着目することで統合失調症の病態解明が進む可能性を示唆しました。

本研究成果は、2022年11月22日付でMolecular Neurobiologyのオンライン版で公開されました。

本研究は、京都大学・長﨑正朗教授、千葉大学・橋本健二教授、熊本大学・岩本和也教授、東北大学・植野和子研究員・舟山亮准教授・中山啓子教授・木下健吾教授との共同研究です。

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科
講師 兪 志前(ゆ しぜん)
電話番号:022-717-7261
Eメール:yu_zhiqian*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●報道に関すること
東北大学大学院医学系研究科広報室
電話番号:022-717-8032
Eメール:press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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