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人工知能の高性能に潜む新たな危険性を解明ー医用画像診断用途の信頼性向上に期待ー

人工知能(AI)の高性能化の中心技術として注目されている深層学習では、大量の訓練データが必要とされ、医療分野ではデータ確保が課題となっています。 COVID-19診断など緊急性が高い状況では、慣例に従いデータ収集した場合でも、AIは一見高性能にも関わらず、実際には性能が悪い場合があります。今回新たに特定した性能低下の原因は、AIが医学的な特性とは関係のない、撮影装置や施設などの特性を学習してしまう、これまで注目されていなかった問題でした。
 東北大学大学院医学系研究科医用画像工学分野の張彰研究員、張暁勇准教授(現所属:仙台高等専門学校総合工学科)、本間経康教授らの研究グループは、胸部X線画像を用いたCOVID-19診断を例に挙げ、新たな原因が深層学習性能に与える影響を詳細に調査しました。実験の結果、今回特定された原因を含むデータで訓練されたモデルは信頼性が低下することを実証しました。この知見は、今後の医療AI開発において、訓練データに要求される重要な性質を示唆しており、信頼性の高いAIに繋がる成果です。

本研究成果は、2023年11月3日にScientific Reports誌に掲載されました。

【論文情報】
タイトル:How intra-source imbalanced datasets impact the performance of deep learning for COVID-19 diagnosis using chest X-ray images
著者: Zhang Zhang*, Xiaoyong Zhang, Kei Ichiji, Ivo Bukovský and Noriyasu Homma
*責任著者:東北大学医学系研究科 医用画像工学分野 学術研究員 ZHANG ZHANG
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-023-45368-w
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-023-45368-w

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科 医用画像工学分野
教授 本間経康、学術研究員 張彰
TEL: 022-717-8190
Email: web*rii.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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