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自分の意思を伝えることのできない重症患者の痛みを人工知能で可視化することに成功~迅速な痛み治療で治療成績向上に期待~

集中治療室に入室する患者のほとんどは安静時にも強い痛みを経験しますが、痛みそのものが非常に有害で、生命を含む治療成績や退院後の生活に大きく影響することが明らかとなっています。このため、医療者側が患者の痛みを常に把握して治療することは、重症患者の治療において極めて重要です。しかし、多くの重症患者が常に入室している集中治療室においては、患者の痛みを常に把握することは困難であり、見落としも多くなってしまうことが実情です。
東北大学大学院医学系研究科 麻酔科学・周術期医学分野の小林直也助教、山内正憲教授らの研究グループは、IT企業である株式会社日立ソリューションズ東日本との共同研究により、自分の意思を他人に伝えることができない重症患者の痛みを、9割以上の正確性で連続的に表示できる新しい人工知能(AI)を開発しました。このAIは、集中治療室で客観的に痛みを評価するためのCPOTと呼ばれるチェックシートで強い痛み(3点以上)と評価される確率を0から100の値で連続的に表示することができ、複数の患者で連続的に痛みを評価することが可能です。このAIは患者の痛みの新しい物差しとなる可能性があり、痛み治療のみならず重症患者の治療成績向上につながる多数の発展研究が期待されます。

本研究成果は、2023年10月14日に、英国科学誌『Scientific Reports』にオンライン掲載されました。

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科麻酔科学・周術期医学分野
助教 小林 直也(こばやし なおや)
TEL: 022-717-7321
Email: naoya.kobayashi.a4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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