台湾―日本の高校生の国際交流と東北大学との連携-高校版さくらサイエンスプログラム2019@仙台

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2019年10月29日
生体システム生理学分野 教授
虫明 元

さくらサイエンスプログラムは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が2014年4月に発表したプログラムです。このプログラムの目的は、アジアの若者を研修生として招聘することで、日本の大学・研究機関を身近に感じてもらい、アジア諸国の優秀な若手人材を日本に集めることです。医学部ではこれまで昨年9月に行われたさくらサイエンスを含めて5回のプログラムを採択されてアジア諸国との学部生、大学院生、若手研究者を中心とした交流事業を行ってきました。今回紹介するのは高校生を対象として、大学での科学技術の研修をするコースです。

JSTにはスーパー・サイエンス・ハイスクル(SSH)というもう一つの事業があります。SSHは先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進する事業です。仙台市にある宮城県第一高等学校は第一期SSHで普通科として、文系理系を融合した普通科全員参加で新しい理数教育に取り組んでいました。東北大学とは災害科学研究所や通研、理学部、医学部、工学部、情報科学との高大連携を行って来ました。

平成29年度からの第二期のSSHに選定された仙台第一高等学校では高大連携をさらに密なものとしつつ、新たに台湾の高校生や東北大学と連携の有る台湾の大学と科学技術を軸にした国際交流をミッションの一つとして始めることになりました。交流事業を進めるためのコーディネータとしては仙台に拠点を持ち東北地区の留学生支援で実績のある財団法人東北多文化アカデミー(TTA)に協力を依頼することになりました。TTAは東北大学医学部のさくらサイエンスの事業では既に5回採択された実績があります。また台湾を始め東南アジア諸国の大学や高校とも連携の経験があります。

具体的には台湾にある2つの高校として国立南投高級中学  National Nantou Senior High  schoolから7名と台北市立大同高級中学  Taipei Municipal Datong High school から6名の学生を合計13名とそれぞれの教員2名を招聘するさくらサイエンスプログラムを企画しました。この2校は第一期のSSHの最終年度に、TTAを通じて初めて台湾の高校生を招聘した2校で、大変有意義な交流ができました。この実績を踏まえ、継続性の有る双方向性の国際交流と高大連携を目指しました。すなわち、さくらサイエンスプログラムで台湾から招聘し、大学と高校と交流し、SSHプログラムで日本の学生を台湾の大学と高校と送り出す計画です。

さくらサイエンスプログラムは来日した10月20日から離日した26日まで7日間の日程で行われました。その間、東北大学では、電気通信研究所で光学、知覚心理学、災害科学研究所では災害の心理学の科学技術研修に加えて被災地の実地研修を行いました。

医学部では国際交流支援室の齊藤麻里子先生がアレンジされ、まず八重樫伸生研究科長が歓迎のご挨拶をされ、地域の医療技術の向上を目指すスキルズラボでは体験型の研修、未来型医療を推進するメガバンクを見学し、脳科学の講義も受講しました。さらにSSHの仙台一高では物理学のワークショップを行い台湾の学生と日本の学生が一緒にチームを作り、物理の課題に取り組み互いにその成果を競いました。高校でのポスター発表会では高校生同士の交流と、参加した東北大学の教員も議論や審査することで科学技術を通じて高大連携、国際交流を同時に行う画期的なプログラムになりました。さらには一高生の家族の方にも協力いただきホームステイを含む全方位交流を行いました。

八重樫研究科長の挨拶

虫明教授の講義

加賀谷教授の実習

大西助教の実習

このような科学技術を通じて台湾と日本の高校にさらに東北大学と台湾の大学を含めた国際交流と高大連携を双方行うことはグローバル時代に向けて、国を超え、文系理系の垣根も越えて新たな学びのスタイルとして見本となる事業と思われます。今後このような多文化な環境下で育つ学生たちが将来どの様になっていくか期待したいと思います。

今回の開催は、「国立研究開発法人科学技術振興機構の2019年度日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)における活動」となっております。

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