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大学院特集2018 障害科学専攻

2017.5
障害科学専攻 肢体不自由学分野
出江 伸一 教授

Q.どのようなテーマで研究をされていますか?

当研究室では、リハビリテーション医学を研究しています。運動障害に研究の焦点をあて、日常生活がうまくいかないという個人レベルの機能不全の問題から、その問題が社会参加の妨げになっているという社会レベルの問題まで幅広く研究しています。
リハビリテーションは訓練といえるのですが、訓練とは運動の学習であり、また、患者さんが運動能力を上手く獲得していくプロセスを支援する技術であるともいえます。例えば、歩く事ができない患者さんであれば、歩く練習ができるように装具をつけるとか、介助が必要であれば部分的に介助をつけるなど、歩くという課題にとりくめる環境をつくる。つまり、道具をつかうなどして環境を整え、難易度を調整していく技術です。二つ目に、本人が訓練をやる気になってもらうようなコミュニケーションの取り方の技術、コーチング技術ですね。三つ目は、工学的な技術をつかって、訓練をしやすくすることです。従来の電気刺激や、温熱療法のように、状態をよくするための物理的な力を補助につかうことです。当研究室ではベンチャー企業と共同で、パルスの磁気で末梢神経を刺激する小型装置を開発し、より訓練がしやすい状態をつくることができる装置を作りました。
さまざまな技術また道具や装置などを用いて、訓練により運動を学習し、日常生活において活動ができるように導く、そのような研究をしております。

Q.障害科学専攻の強みを教えて下さい。

まず、臨床として東北大学病院を持っているという事です。一般的なリハビリテーションの医療従事者向けの大学院は、すべてとはいいませんが、研究はできても臨床の病院を持っていないというデメリットもあったと思います。その中でも、東北大学は病院という臨床の場があり、主治医という立場で日常的に患者さんに触れている医師から指導を受けることができます。医師以外の医療従事が、そのようなめぐまれた環境において教育をうけることができることが、障害科学専攻の非常に強みだと考えます。

Q.どんな学生に来て欲しいですか?

大学院なので、自分から主体的に動けることが大事だと思います。専門領域の能力の高さはそれほど必要ないのですが、論理的思考ができることが最低限必要です。しかし、そうではない方がきても対応できるような臨機応変な教育をするように心がけていますし、学生の特徴を理解し、それに応じて研究者を育てる教育をしています。

Q.障害科学の学位はどのように評価されているのでしょうか

リハビリテーション関連では、障害科学専攻が設置された当初は他に大学院がなかったので、かなり知名度は高かったと思います。障害科学専攻で学位を取った人達が、日本全国で教授になっていますし、博士を持った医学療法士を輩出して、臨床現場にも研究現場にも送っています。一時期は、他大学の教授が障害科学専攻で博士号を取るということもありましたので、日本でも高く評価されているのではないでしょうか。

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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