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軸性脊椎骨幹端異形成症の原因遺伝子を発見 ~網膜色素変性症、骨系統疾患の発症機構解明や新治療法の開発に道~

理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター骨関節疾患研究チームの池川志郎チームリーダー、王铮(ワン・ゼン)研究員、飯田有俊上級研究員、横浜市立大学学術院医学群の松本直通教授、東北大学大学院医学系研究科の西口康二准教授らの共同研究グループは、遺伝性の難病である軸性脊椎骨幹端異形成症の原因遺伝子「C21orf2」を発見しました。C21orf2遺伝子の機能喪失により、網膜視細胞や成長軟骨細胞の繊毛の機能不全が起こり、同疾患を発症するメカニズムを解明しました。
 軸性脊椎骨幹端異形成症は、網膜色素変性症の発症と骨格の形成異常を特徴とする常染色体劣性遺伝病です。多くの患者は、網膜の視細胞が変性するため幼児期に視力を失います。また、肋骨の短縮による胸郭の狭小化・変形、脊椎の変形、四肢関節の異常など多様な骨格異常をきたす難病です。そのため、発症原因の解明、予防・治療法の確立が待ち望まれています。
 今回の原因遺伝子の発見により、軸性脊椎骨幹端異形成症の遺伝子診断、保因者診断が可能になりました。また、C21orf2遺伝子の機能解析を通じて、網膜や骨格の形成メカニズム、および視細胞や軟骨の代謝について理解が進み、軸性脊椎骨幹端異形成症やそれに類する網膜の変性疾患、骨格異常症に対する有効な治療法の開発につながると期待できます。
 本研究は日本医療研究開発機構の難治性疾患実用化研究事業のプロジェクト、『遺伝性難治疾患の網羅的遺伝子解析拠点研究』の一環として行われました。成果は、米国のオンライン科学雑誌『PLOS ONE』(3月14日付け:日本時間3月15日)に掲載されました。

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