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第2回疾患エピゲノムコアセンターセミナー開催のお知らせ(5/20)

演題:「ミトコンドリア機能による活性化B細胞運命決定機構」

講師:菅井 学 教授(福井大学 医学部 生命情報医科学講座 分子遺伝学領域)

日時:2016年5月20日(金)17時-18時

場所:6号館 1階 カンファレンス室1

概要:
細胞分化は一般的にinstructiveな(方向付け)シグナル(サイトカイン等方向性を決めるもの)と細胞内の確率的な現象によって決定されることが知られています。活性化B細胞は、クラススイッチ組換え、形質細胞分化、細胞死などに方向付けられますが、これを決定する分子機構の詳細は不明でした。Duffyらは、活性化B細胞の分化は、細胞自身の確率的な現象で決定されていることを示しました(Science 335, 338, 2012)。私たちはこの確率的な変化の実態を知りたいと考え、これを検索しました。その結果、ミトコンドリア機能の確率的な変化が、ヘム合成能の変化をもたらし、活性化B細胞の分化の方向性を決定していることを見いだしました。その一方で、B細胞受容体からのシグナルが形質細胞に分化させるinstructiveな(方向付け)シグナルであることも示されています(Ochiaiら Immunity 38, 918, 2013)。私たちは、B細胞受容体刺激の下流で機能するPI3KやAktを抑制すると、ミトコンドリア機能が活性化されることを見いだしました。これによって、クラススイッチ組換えが誘導され、形質細胞分化が抑制されます。この時、ミトコンドリア機能の亢進に伴って、ヘム合成は抑制されます。これらのことから、形質細胞分化のinstructiveなシグナルは、確率的な細胞内シグナルと同様、ヘム合成能というシグナルに変換され、細胞内で統一的に解釈されている可能性が示唆されました。本セミナーでは、細胞分化におけるヘムの重要性について議論したいと考えています。

問い合わせ先:五十嵐 和彦(生物化学分野)内線7597

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