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新しいタイプのガラクトース血症を発見
東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野の和田陽一 医師、菊池敦生助教、市野井那津子特任助手、坂本修准教授、東北大学東北メディカル・ メガバンク機構副機構長呉繁夫教授らの研究グループは、ガラクトース血症の新規原因遺伝子( GALM 遺伝子)を同定しました。
遺伝性ガラクトース血症は、乳糖を主なエネルギー源とする乳児期に白内 障などの症状を示す疾患で、ガラクトースをブドウ糖へ転換する代謝経路 (Leloir 経路)上の酵素の遺伝的欠損により生じ、欠損酵素の種類により3つの型(I, II, III 型)に分類されていました。ところが、I 型、II 型、 III 型のいずれでもないガラクトース血症、いわゆる「説明できないガラクトース血症」の存在が以前から認識されていました。GALM 酵素は、Leloir 経路上に存在しますが、これまでその欠損症は存在しないと考えられてきました。今回の研究で「説明のできないガラクトース血症」が GALM 欠損症である ことを明らかにし、GALM 欠損症による新型を「ガラクトース血症 IV 型」と 命名しました。
今回の研究成果は、新生児マススクリーニングで診断される ガラクトース血症患児の原因解明とその健康管理に貢献すると期待されます。
本研究成果は米国科学雑誌Genetics in Medicine のオンライン版に 2018 年 10 月 19 日付で掲載されました。