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脳に内在する柔軟性を活性化させる てんかんレジリエンス機構の解明

東北大学大学院医学系研究科の下田由輝助教、東北大学大学院生命科学研究科超回路脳機能分野の松井広教授らのグループは、脳神経細胞の活動を光で操作できるラットを用いて、てんかんの発生機序を研究し、光刺激でてんかん発作を繰り返させると、てんかん発作に対する抵抗性、てんかんレジリエンスが獲得されることを示しました。

研究に用いたのは脳神経細胞に光感受性分子ChR2を遺伝子発現するラットで、海馬神経細胞を光刺激する実験を行いました。その結果、当初は光刺激によって、てんかん様の発作が引き起こされ、刺激のたびにより強い発作が生じましたが、長期間繰り返し刺激すると、発作が完全に抑制されるようになりました。

神経細胞からグリア細胞への信号伝達が繰り返されることで、グリア細胞から神経活動を抑制する物質(アデノシン)が放出されるようになり、てんかんに対する抵抗性や回復力(てんかんレジリエンス)が獲得されたことが示唆されました。

このような、脳のシステムを一定に保とうとする内因性ホメオスタシス機構の効果的な活性化は、てんかんに対する根本的治療として発展させられることが期待されます。

本研究成果は、2021年12月22日付でNeurobiology of Disease誌にオンライン掲載されました。

【問い合わせ先】
(研究に関すること)

東北大学大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野

担当:教授 松井 広(まつい こう)

電話番号:022-217-6209

Eメール:matsui*med.tohoku.ac.jpを@に置き換えてください)

(報道に関すること)

東北大学大学院生命科学研究科 広報室

担当:高橋 さやか (たかはし さやか)

電話番号: 022-217-6193

Eメール: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jpを@に置き換えてください)

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