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脳内環境を光ファイバーで読み出す  てんかん増悪にともなうグリア細胞の酸性化を解明

ファイバーフォトメトリー法は、動物の生体脳の活動を観察するために開発されてきた技術です。しかし、光ファイバーを伝わる蛍光には、複数の信号が混じり合っているため、これまでは、正しい情報を引き出せませんでした。東北大学大学院生命科学研究科の生駒葉子助教、松井広教授(大学院医学系研究科兼任)らのグループは、蛍光センサータンパク質をグリア細胞に発現させたマウスに対して、光信号解析の新手法を使うことで、脳内で生じる素過程を分離し、脳内グリア細胞内のカルシウム、pH、脳血流量の変化を調べることに成功しました。そこで、この新開発の手法を使って、てんかん発作の発展にともなう、視床下部の局所脳内環境の変化を追跡しました。その結果、視床下部グリア細胞は、てんかん発作の初期はアルカリ化し、てんかん発展時には酸性化することが示されました。てんかん突然死における脳内環境変化も捉え、発作時の生と死を分ける境界反応を見つけることにも成功しました。本研究では、グリア細胞の活動がてんかんの発展と関わることが示され、今後、グリアをターゲットにした新治療の開発が期待されます。

本研究成果は、2022年11月25日付でBrain誌にオンライン掲載されました。

【論文情報】Yoko Ikoma, Daichi Sasaki, Ko Matsui (2022) Local brain environment changes associated with epileptogenesis. Brain
DOI: https://doi.org/10.1093/brain/awac355

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院生命科学研究科
担当:教授 松井 広 (まつい こう)
電話番号:022-217-6209
Eメール:matsui*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●報道に関すること
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当:高橋 さやか (たかはし さやか)
電話番号: 022-217-6193
Eメール: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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