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超硫黄分子による心機能の制御メカニズムを解明 虚血性心疾患や難治性心不全などの診断・治療への応用に期待

NOは強力な血管拡張因子であり、また、脳の記憶を維持し、感染防御機能や幹細胞の分化維持やがん細胞の悪性化などに関わることが広く知られています。NOと相互作用する分子の一つとして、多彩な生理機能を持つミラクル物質である超硫黄分子が知られていますが、その生理機能は不明のままでした。
東北大学大学院医学系研究科環境医学分野の赤池孝章教授、大阪公立大学の笠松真吾助教らの研究グループは、組換えタンパク質や細胞およびマウスを用いて、超硫黄分子が「超硫黄触媒反応」を介してADH5によるNO分解代謝活性を担っていることを発見しました。また、このNO分解代謝活性は、ADH5のホルムアルデヒド解毒反応と超硫黄反応が連動することで発揮されることを見い出しました。さらに、九州大学との共同研究により、ADH5の遺伝子改変マウスを用いて、超硫黄触媒反応を制御することで心臓の機能を向上させることができることを明らかにしました。今後、超硫黄触媒反応を創薬研究などに応用することで、虚血性心疾患や難治性心不全のみならず、感染症、生活習慣病、動脈硬化、糖尿病などの代謝性疾患、がんやアルツハイマー病などの神経変性疾患などの予防・治療法の開発を目指します。

本研究成果は、2023年8月18日付けで国際学術誌Science Advancesに掲載されました。

【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学大学院医学系研究科環境医学分野
教授 赤池 孝章(あかいけ たかあき)
TEL: 022-717-8164
E-mail: takaike*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●報道に関すること
東北大学大学院医学系研究科 広報室
TEL: 022-717-8032
E-mail: press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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