活動内容

シンポジウム「みること、えがくこと―脳科学とアートとの対話」

世界的な美術家・横尾忠則氏と、脳科学者・藤田一郎氏(大阪大学教授)との対談。脳科学グローバルCOEが掲げる「社会への還流」の方策の一つとして模索し続けている、芸術との接点を考えるイベントを、第34回日本神経科学大会の特別サテライトイベントとして、開催しました。




近年、大型の学会は、横浜や神戸といった決まった場所で開催されることが多く、また、その場所も、大規模な国際会議場であり、学会の開催は地元の方々に何も知られることもなく、いつの間にか決まり終わってしまう、ということが少なくありません。第34回日本神経科学大会を横浜で開催するにあたって、何らかの形で開催地の地元との交流を、と考え、ちょうど、開催年にあたっていた、横浜トリエンナーレとのタイアップを企画しました。横尾忠則氏はヨコハマトリエンナーレ2011”Our Magic Hour”に新作を出展しており、また、シンポジウムの最後には組織委員長の逢坂恵理子氏(横浜美術館館長)にも御挨拶の登壇を頂きました。












イベントは、藤田一郎氏の講演「脳が世界を見る―私が知らないうちに―」と、大隅典子氏のモデレートによる横尾忠則氏との対談の二部構成。藤田氏の講演は、さまざまな動物が見る世界や、人間の注意力と見ている世界との関係などを、豊富な画像や動画をもとにした魅力的なもの。アンケートの記述にも、藤田氏の講演を絶賛するものが並びました。





対談は、横尾氏の個性が前面に出た展開。生い立ちから、少年時代、創造における感性と理性の役割、多彩な話題ながら、根本は芸術を生み出すものは何かという問いでつながっているような内容に。参加者の方々からも、「理論的、感覚的…、相反する話が一緒に聞け、楽しい時間を過ごす事が出来ました。」「2つの世界からの対話を通じて、面白い見方が出来ました。」等、何か考えはじめるきっかけになるようなイベントになったようです。


シンポジウムを知った方々の大半は、ヨコハマトリエンナーレの告知や、会場でのチラシ配布・ポスター掲出などによる方々。今回のタイアップによって、普段、脳神経科学のイベントを行っても、なかなか告知がそもそもいきわたらない方々にアプローチすることができました。ヨコハマトリエンナーレ、横浜美術館の方々に、御礼申し上げます。

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