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大学院特集2018 公衆衛生学専攻
2017.5
公衆衛生学専攻 医療倫理学分野
浅井 篤 教授
Q.どのようなテーマで研究をされていますか?
医療倫理学と言って、医療に係る倫理的問題全般を研究しています。生命の始まりから終わりまで、広い範囲に渡る問題がありますし、社会状況の変化にともない、日常の医療現場や医学研究実施においても多種多様な問題が常に発生しています。在宅医療や介護医療を利用するような単身世帯が増えるなかで、患者さんが治療を受ける場合のインフォームド・コンセントや、診療指針における意思決定についても倫理的に難しい問題が存在しています。同時に、研究機関での研究不正や個人情報などの取り扱いについての問題、医療専門職の利益相反の問題なども研究対象としています。
Q.公衆衛生学専攻の特徴を教えて下さい。
とても多様性に富んでいることだと思います。公衆衛生学、医学統計学、医学情報学、遺伝医療学、医療管理学、環境保健医学、法医学、医療倫理学と8つの専攻と、3つの協力講座があります。また、公衆衛生学専攻には新しい領域をカバーする講座が多いと思います。
Q.どういう人材に大学院に来て欲しいですか?
いろんな方に来て欲しいのです。医療に実際携わるなかで問題意識を持った方が医療倫理を学び研究し、医療現場に戻るのが一つの理想ですね。または指導的な立場になることを目指す方ですね。現役の医師も大学院生として研究していますが、そのような人々が医療機関の倫理委員会やカンファレンス開催などにおいて指導的な立場になれればと期待しています。現場から出てきた問題を解決する方法を模索して習得し、再び現場に還元できるような、医療現場の倫理について向上心を持った方が来ると良いですね。
Q.公衆衛生学の学位(MPH)を取ることの利点を教えてください。
海外においては、MPHはとても評価されています。海外ではとても活躍できるフィールドだと思いますし、たとえば、私の研究室にスタッフとして参加する場合、MPHをもっているかどうかはひとつの重要な判断基準になります。臨床研究や基礎研究において、専門的な統計や解析などのスキルはとても利点になると思います。医療系の国家資格にプラスαでMPHを持っていると、様々なキャリア・アップにつながるのではないでしょうか。
※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。